シニシャ・ミハイロヴィチ

シニシャ・ミハイロヴィッチ

シニシャ・ミハイロヴィッチ（1969年2月20日 - 2022年12月16日）は、セルビア出身の元サッカー選手および指導者で、特にMFおよびDFとしてのキャリアで知られています。プロとしてのキャリアは地元クラブのボロヴォで始まり、その後大きなキャリアの舞台となるレッドスター・ベオグラードに移籍。この移籍は、当時の国内移籍金最高額であり、彼の才能が評価されていた証拠です。

クラブキャリア

ミハイロヴィッチはレッドスターで主力選手として活躍し、1990-91シーズンのUEFAチャンピオンズカップでは、バイエルン・ミュンヘンとの準決勝で見事なフリーキックを決めた他、試合を決定づけるクロスも放ち、優勝に貢献しました。さらに、インターコンチネンタルカップでもダルコ・パンチェフのゴールをアシストし、活躍が続きました。

その後の1992-93シーズンにはイタリアのセリエA・ローマに移籍し、ブレシア戦での直接フリーキックによる初ゴールを含め、多くの印象的なプレーを披露しました。1994-95シーズンから彼はサンプドリアに移籍し、そこでスヴェン・ゴラン・エリクソンの指導のもと、新たなポジションでのプレーも経験しました。

1998年にはラツィオに加入。彼のフリーキックの技術は際立ち、特にサンプドリア戦ではフリーキックだけでハットトリックを達成します。その後、ラツィオでの活動を経てインテルに移籍。引退前の2005-06シーズンにはセリエAでのフリーキック総得点記録を更新しました。彼の直接フリーキックによる得点は、セリエA史上二人の選手（アンドレア・ピルロとともに）と並ぶ記録となっています。

代表キャリア

ミハイロヴィッチは1991年にユーゴスラビア代表でデビューし、1998年のフランスワールドカップでは、フリーキックを決めるイメージを残しつつ、グループリーグでチームのベスト16進出に貢献しました。内戦の影響で多くの際を逃したものの、彼は2000年のEURO 2000にも選出されています。

指導者としての歩み

現役引退後、ミハイロヴィッチは指導者として活動を開始し、インテルではロベルト・マンチーニのアシスタントコーチとして経験を積みました。その後、多くのクラブの監督を務めましたが、ボローニャやカターニア、フィオレンティーナなどでの指導が多く、特に2014-15シーズンにはサンプドリアをUEFAヨーロッパリーグ出場権に導くなどの成果を上げました。

2015年にはACミランの監督に就任し、一定の結果を出すものの、数回の解任を経験します。最後の指導先はボローニャFCで、2022年9月に解任が発表されました。

人物と晩年

ミハイロヴィッチはその素晴らしいプレースタイルに加え、レッドスター時代には女性ファンの間でも人気を博し、アパレルメーカーのモデル業なども行っていました。2019年には自身が白血病を患っていることを公表し、その後も闘病生活を送りましたが、2022年12月に53歳で亡くなりました。彼のサッカー界に残した影響は大きく、多くのファンにとって忘れがたい存在となっています。

もう一度検索