シネマヴェーラ渋谷

シネマヴェーラ渋谷

概要

シネマヴェーラ渋谷（シネマヴェーラしぶや）は東京都渋谷区に位置する特徴ある映画館で、主に旧作映画を上映する名画座として知られています。この映画館の運営は内藤篤が館主を務め、妻の由美子が支配人として支えています。ここでは、映画愛好者に向けて独特の映画体験を提供しています。

歴史的背景

シネマヴェーラ渋谷の設立は、内藤篤がユーロスペースの代表取締役である堀越謙三と親しい関係にあったことがきっかけでした。内藤は堀越の自社ビル計画に参加し、映画館の開設へと進めていきました。彼の本業は弁護士で、エンターテインメント業界の法務を手掛けてきました。内藤は特に1990年代から2000年代の名画座の減少を憂慮し、自らが映画館を開くことを決意しました。闘病を経て「こうしてまた人生が始まったのだから、好きなことをして生きたい」という思いも影響しています。

映画館の名称「シネマヴェーラ」は造語であり、イタリア語で「春」を表す「プリマヴェーラ（Primavera）」からインスパイアされています。2006年1月14日にオープンし、初めての上映作品は北野武（ビートたけし）のレトロスペクティヴ特集でした。

運営とプログラム

開館当初は内藤篤がプログラム編成を担当し、内藤由美子は支配人の割合を持っていませんでした。しかし、彼女は子育てや親の介護が一段落した後、映画館の運営に携わり始め、チラシ作成、人事、経理、プログラム編成を行うようになり、最終的に支配人に就任しました。夫妻は「全ジャンルに貴賎なし」という信念を掲げ、多様な映画作品を提供しています。

もともとは日本映画を主に上映していましたが、次第に外国映画の上映も増加し、2008年からは不定期で「映画史上の名作」特集上映も行われています。このように、シネマヴェーラ渋谷は様々な映画を通じて幅広い観客のニーズに応えられる存在感を持っています。

共通の会員制度

シネマヴェーラ渋谷が入居しているビルには、別の映画館であるユーロスペースも存在します。両館は共通の会員制度を導入しており、利用者にとってはより利便性を高める選択肢となっています。

関連文献と情報

シネマヴェーラ渋谷の歴史や運営について詳しく知りたい方には、内藤篤著の『円山町瀬戸際日誌 名画座シネマヴェーラ渋谷の10年』をお勧めします。この書籍では、映画館の設立から10年間の出来事や思いがつづられています。公式ウェブサイトも開設されており、上映作品やイベント情報なども随時更新されています。

シネマヴェーラ渋谷は、良質な映画体験を求める観客にとって欠かせない場所であり、その独自性と多様性により、今後も多くの映画ファンに支持されることでしょう。

もう一度検索