ユーロスペース

ユーロスペース (EUROSPACE)

ユーロスペースは、東京都渋谷区に位置するミニシアター及びその運営会社である有限会社ユーロスペースで、多様な映画体験を提供しています。劇場は渋谷区円山町のKINOHAUSビルの3階に位置し、ビルの他の階には名画座「シネマヴェーラ渋谷」とライブホール「ユーロライブ」が併設されています。

概要

ユーロスペースは、映画上映だけでなく、トークライブや落語会なども開催しており、地域の文化活動の一翼を担っています。映画とライブに関連するイベントを通じて、さまざまな人々に新たな体験を提供することを目指しています。また、映画館とシネマヴェーラで共通の会員制度も設けられています。

2006年のQ-AXビルの完成時には、地下1階と2階に「Q-AXシネマ」がオープンしましたが、後に「渋谷シアターTSUTAYA」と改名され、最終的には2010年に閉館。新たに地下1階から2階のスペースには映画美学校が移転し、地下1階は試写室として利用されていました。その後、2011年には多目的ホール「オーディトリウム渋谷」として再オープンし、映画の上映を行っていましたが、2014年に閉館し、翌年には「ユーロライブ」として復活しました。さらに、1階には2016年にトークライブハウス「LOFT9 Shibuya」がオープンしました。

沿革

1982年に堀越謙三によって開館され、当初は映画上映の専門劇場ではなく、多目的スペースとして運営されていました。オープニング作品『ある道化師』から始まり、レオス・カラックスやアッバス・キアロスタミの作品を上映し、1980年代のミニシアターブームに寄与しました。1994年に劇場は改装され、2つのスクリーンを持つようになりました。

しかし、観客の集中化が進んだことから、より広いスペースを求めて移転の決定がなされ、新たにシネマヴェーラとともにQ-AXビルを開館することとなりました。2005年には一時閉館し、2006年1月に現在の場所で新たにオープンしました。桜丘町の旧劇場は日本出版販売に譲渡され、「シアターN渋谷」として開館しますが、2012年には閉館しています。

有限会社ユーロスペース

企業としてのユーロスペースは、映画の製作や配給にも携わっています。これまでにアッバス・キアロスタミ監督の作品『ホームワーク』や『桜桃の味』、アキ・カウリスマキ監督の『浮き雲』、フランソワ・オゾン監督による『焼け石に水』など、様々な著名作品を配給してきました。

製作においても、ウェイン・ワンの『スモーク』や、レオス・カラックスによる『ポーラX』など、数々の映画を世に送り出しています。ユーロスペースは、映画文化の発展に貢献し続けており、今後の展開にも期待が寄せられています。

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