シネワールド

シネワールド（Cineworld）について

シネワールドは、イギリスのロンドンに本社を構える映画館チェーンで、エンターテインメント分野での大手企業として知られています。AMCシアターズに次ぐ規模を誇り、世界中で展開しています。2019年の時点では、10カ国にわたり790の映画館、9,518のスクリーンを保有していました。具体的には、中央ヨーロッパではシネマシティを運営し、アメリカではリーガル・シネマズとして知られています。

沿革

シネワールドの設立の背景には、1995年にワーナー・ブラザース・ヨーロッパでマネージング・ディレクターを務めていたスティーブ・ウィーナーがいます。彼が同社を退職後、自らのビジョンでシネワールドを立ち上げました。2004年にはブラックストーンによる買収を経て、2007年には株式市場に上場を果たしました。また、2012年にはPicturehouse Cinemasを買収し、さらなる成長を遂げました。この時期、スティーブ・ウィーナーは2013年3月31日をもってシネワールドを退社しました。

2017年12月5日、アメリカのリーガル・エンターテインメント・グループの買収が発表され、シネワールドの国際的な影響力が強化されました。しかし、2020年以降の新型コロナウイルスの影響が、映画産業全体に深刻な影響を与えることになります。

2020年3月16日、リーガルシネマズで542の映画館が閉鎖されることが決定され、2020年の6月頃からは営業再開に向けた取り組みが試みられましたが、映画館の運営状況は依然として厳しかった。10月には新作映画の不足から再び536の映画館が閉鎖され、この結果、シネワールドの株価は40％も下落しました。

2021年4月には映画館の営業が再開されましたが、その影響は続き、シネワールドの負債総額は驚異の48億ドルに達しました。このため、2022年には破産法の申請が検討され、9月7日には連邦倒産法第11章の適用が正式に申請されました。この動きは主にアメリカ、イギリス、アイルランドにおける事業売却計画に基づくものでしたが、期待される買い手が見つからなかったため、2023年4月3日にはこの計画を撤回し、新たな債務再編の方針が示されました。

現状と展望

シネワールドは、厳しい財政状況からの立て直しを図っており、今後の映画市場の回復とともに希望を見出すべく努力しています。映画館の再開や、新たなビジネスモデルの模索が求められる中で、シネワールドがどのように収益性を回復させるのか注目されています。経済的な不安定要因と競争の激しい映画市場の中で、シネワールドがどれだけ持ちこたえられるか、次の展開が待たれます。

参考リンク

コーポレート情報や最新のニュースは、公式ウェブサイトを通じて発表されています。

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