シベナガムラサキ

シベナガムラサキ（Echium vulgare）

シベナガムラサキは、学名Echium vulgareとして知られ、シャゼンムラサキ属に属する植物です。この植物は、1753年にリンネによって著された『植物の種』の中で記載された一つで、特に奥山春季が北海道に持ち帰った標本に、日本語名を最初に付けたことが知られています。

分布

シベナガムラサキは主に北部ヨーロッパを原産地とし、その後、北アメリカやオーストラリアに移植され、日本でも北海道や大阪府、兵庫県、三重県などにおいて外来植物として定着しています。

特徴

この植物は二年草であり、その全体に白くて硬い毛が密生しています。草丈はおおよそ40センチメートルから80センチメートル程度です。葉はへら形をしており、根元に位置する葉は長さ10センチメートルに達しますが、上部の葉はそれよりも小さくなります。

花の特徴

シベナガムラサキの花期は夏にあたる日本では主に5月から6月にみられます。上部の葉腋には青紫色の円錐型花序が形成されるのが特徴です。当初は花序の先端が巻いていますが、開花が進むにつれてその先が自然にほどけていきます。花自体は無柄で、小包葉を伴い、萼は基部から深く5つに裂けています。

花冠は長さ1.2から2センチメートルの弓状に曲がった筒型で、蕾の段階では淡い紅色を呈し、その後紫色から青色へと色が変わります。花冠の上部は浅く5つに裂けており、左右対称をなしています。また、5本の雄蕊が花冠の外に突き出ており、見た目にも鮮やかです。雌蕊は1つあり、花柱の先端はさらに2裂しています。

果実

シベナガムラサキの果実は分果となりますが、その果実は硬く、表面には多くのシワがあります。これにより、果実には一層の特徴が加わり、観察者の目を引きつけます。

参考文献

この情報は、長田武正による『原色日本帰化植物図鑑』からのデータを参照しています。1976年に出版されたこの図鑑は、日本の帰化植物に関する貴重な資料となっています。シベナガムラサキは、帰化植物として日本の自然環境に新たな彩りを加えていると言えるでしょう。

シベナガムラサキのような外来植物は、生態系においてさまざまな影響を及ぼす可能性がありますが、その美しさと多様性は自然をより楽しむ要素となっています。

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