シベリア軍

シベリア軍の歴史と活動

シベリア軍は、ロシア内戦の最中、ロシア・ソビエト連邦社会主義共和国から独立を目指したシベリア共和国の軍隊として1918年6月に創設されました。当初、名前は西シベリア軍（Западно – Сибирская армия）でしたが、同年7月末にはシベリア軍と改称されました。シベリア軍は、1918年6月から12月にかけてシベリア地域における白軍の指揮も行い、特に重要な役割を果たしました。

シベリア共和国時代

シベリア軍の立ち上げは、義勇兵部隊やノヴォニコラエフスク連隊などを基にして行われました。1918年6月13日には軍団が二分され、ステップ・シベリア軍団と中シベリア軍団が形成されます。その後、7月11日にはミアスクやウラル地域から兵士が集められウラル軍団が編成されました。
また、9月末にはこの時点での兵力が37,600人、火砲70門、機関銃184挺と増強し、戦闘能力を高めました。1918年10月には、シベリア軍が改編されて第1中シベリア軍団、第2ステップ・シベリア軍団、第3ウラル軍団、第4東シベリア軍団、第5沿アムール軍団が形成されました。このように、シベリア軍はボリシェヴィキとの戦いに備え、組織の整備を進めていきました。

特に1918年12月末には、ペルミを占領し、多くの戦利品を獲得するなど、シベリア軍はその実力を示しました。

臨時全ロシア政府時代

1918年12月にはアレクサンドル・コルチャークが最高司令官に就任し、スタフカ（指令本部）が設立されました。この時、シベリア軍は一時的に解散され、新たに第1ステップ・シベリア軍団や第3ステップ・シベリア軍団、ヴォトキンスク師団、クラスノウファ旅団からなるシベリア軍が再編成されます。

1919年の初めには防御的状況が続きましたが、3月4日には紅軍に対して攻勢をかけ、オハンスクとオサを占領。その後も4月にはサラプル、ヴォトキンスク、イジェフスクを奪取しましたが、いずれも赤軍に再奪取されました。5月になると、南部からの包囲を恐れ撤退を開始し、6月にはグラゾフを一時的に奪取したものの、その後退却を強いられることになります。最終的にはザウラリエに追い詰められる状況が続き、7月22日にはシベリア軍が第1シベリア軍と第2シベリア軍に分かれ、東部戦線を構成しました。

1919年8月から10月にかけてはトボリ攻勢に参加し、その後11月から12月にかけて赤軍に撃破されました。シベリア軍はその後も1920年11月まで抵抗を続け、最終的には撤退を余儀なくされ中国へ逃れることになります。1921年には沿海地方白軍に編入され、ヴォロチェフカやスパスクの戦闘にも参加しました。その後1922年10月には朝鮮と中国へ再び退避しました。

歴代司令官

シベリア軍の指揮を執った歴代の司令官には、アレクセイ・グリシン＝アルマゾフ（1918年6月～9月）、パーヴェル・イワノフ＝リノフ（1918年9月～12月）、ラドラ・ガイダ（1919年1月～7月 チェコ人）、ミハイル・ディテリフス中将（1919年7月～11月）が存在します。これらの指導者たちはシベリア軍の組織や戦力の強化に寄与し、さまざまな戦闘において重要な役割を果たしました。

シベリア軍の歴史は、ロシア内戦における複雑な緊張関係と多くの出来事によって形作られ、多くの背景に支えられた部隊として今でも語り継がれています。

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