シベリア連邦大学:ロシア極東を代表する総合大学
シベリア連邦大学は、
ロシア連邦東部、
クラスノヤルスク市に位置する大規模な
国立総合大学です。
2006年に複数の大学を統合して設立され、基礎研究から応用研究まで幅広い分野を網羅する、現代的な教育・研究機関として知られています。
規模と特徴
約2,000人の教員と約29,000人の学生を擁し、
ロシア国内でも有数の規模を誇ります。特にウラル山脈以東では
極東連邦大学、ウラル連邦大学に次ぐ規模を誇り、その高い教育水準と研究力から、
ロシア政府による大学改革プロジェクト「5-100プロジェクト」にも選定されています。
600以上の現代的な教育プログラムを提供しており、21の学部で多様な専門分野を学ぶことができます。経済的な支援体制も充実しており、5,000人以上の学生が国家から無償で教育を受けています。また、315種類の奨学金制度があり、優秀な学生には総額1,200万ルーブル以上の奨学金が支給されています。
国際交流も盛んで、
ロシア国内外の大学や研究機関と60以上の協定を締結。毎年100件以上の特許を取得し、研究開発と有料サービスによる年間取引高は8億ルーブルに達しています。さらに、独自の出版所を有し、5つの科学分野の学術雑誌を発行するなど、研究成果の発表にも力を入れています。
各学部
シベリア連邦大学には、以下の21学部があります。
人文学部
工学・建設学部
建築・デザイン学部
鉱業・地質学・地質技術学部
物理・無線工学部
宇宙・情報工学部
数学・計算機科学部
エコロジー・地理学部
石油・天然ガス工学部
教育・心理・社会学部
経営・経済学部
貿易・経済学部
文献・言語コミュニケーション学部
基礎生物・生物工学部
経済・経営・環境研究学部
非鉄金属・材料科学部
工業学部
法学部
軍隊教育部
体育・スポーツ・観光学部
ガストロノミア学部
大学ランキング
シベリア連邦大学は、国内外の大学ランキングで高い評価を得ています。2019年の
ロシア大学ランキングでは総合評価15位、イノベーション部門19位、教育部門35位を獲得。国際的な大学ランキングでも上位にランクインしています。
THE World University Rankings (1001+位)
THE Best universities in Europe (417位)
THE Best young universities (301+位)
QS EECA (122位)
Round University Rankings (701位)
Scimago (782位)
Worldwide Professional University Rankings (380位)
(カッコ内は
ロシア国内での順位。いずれも2019年~2020年のデータ)
設立と発展
シベリア連邦大学は、
2006年に
クラスノヤルスク市にある4つの大学を統合して設立されました。高等教育システムの現代化、シベリア地方経済の活性化、高度な専門家の育成、国際協力の促進などを目的としています。
統合された大学は以下です。
クラスノヤルスク国立大学 (1963年開校)
クラスノヤルスク国立建築土木大学 (1982年開校)
クラスノヤルスク国立技術大学 (
1956年開校)
国立非鉄金属大学 (1930年開校、1958年に
クラスノヤルスクに移転)
*
クラスノヤルスク貿易・経済大学
650ヘクタールもの広大なキャンパスには、近代的な研究施設、300万冊の蔵書を誇る図書館、国際基準のスポーツ施設、学生寮などが整備されています。
留学生とロシア語教育
1,000名以上の留学生が在籍し、さらに毎年200名以上の短期留学生を受け入れています。国際教育センターでは、
ロシア語教育プログラムを提供し、
ロシア語能力試験や
ロシア国籍取得のための
ロシア語試験も実施しています。
産学連携と国際協力
シベリア連邦大学は、地元企業や
ロシア科学アカデミーシベリア支部と連携し、共同研究や人材育成を進めています。また、イギリス、ドイツ、フランス、日本、アメリカ、中国など、世界各国の大学・研究機関とも積極的に交流し、共同研究プロジェクトを展開しています。
スポーツと文化
大学内では、スポーツ活動も盛んで、71の学生スポーツクラブが存在します。学生スポーツチームは、
ロシア国内の大会で数々の優勝を収めています。また、独自の出版所を有し、大学独自のテレビチャンネルも運営しています。
伝統行事
シベリア連邦大学では、ユニバーシナーレ、9月の初めなどの伝統行事が行われています。ユニバーシナーレは、他大学との競技会や交流イベント、9月の初めは新入生歓迎イベントです。その他、劇場デー、新春祭などのイベントも開催されています。
シベリア連邦大学は、教育、研究、国際交流の面で
ロシアを代表する総合大学であり、今後もその発展が期待されます。