シベリウス国際ヴァイオリン・コンクール

シベリウス国際ヴァイオリン・コンクール

フィンランドの首都、ヘルシンキを舞台に繰り広げられるシベリウス国際ヴァイオリン・コンクール（英語名称：International Jean Sibelius Violin Competition）は、将来を嘱望される若手ヴァイオリン奏者たちに光を当てる、国際的に権威ある音楽コンクールです。フィンランドを代表する作曲家、ジャン・シベリウスの名を冠しており、その精神を継承し、音楽文化の振興に貢献することを目的としています。

このコンクールは、フィンランド・シベリウス協会の主催により運営されており、記念すべき第1回大会は1965年に開催されました。それ以降、原則として5年の周期で開催されてきました。世界各国から才能豊かなヴァイオリニストが集結し、厳しい審査を経てその技量を競い合います。

本大会は、多くの著名なヴァイオリニストを音楽界に送り出してきた登竜門として知られています。歴代入賞者の中には、その後のキャリアで国際的な成功を収めた演奏家が数多く名を連ねています。参加者の国籍も多岐にわたり、まさに国際的な舞台での競争が展開されます。

入賞者の詳細な記録は、コンクールの公式ウェブサイトにて確認できますが、ここでは第1回から近年の大会までの主な入賞者をご紹介します。

歴代入賞者（抜粋）

第1回（1965年）
第1位：オレグ・カガン（ソ連）
第2位：Joshua Epstein（イスラエル）
第3位：Valeri Gradov（ソ連）

第2回（1970年）
第1位：Liana Isakadze（ソ連）、パヴェル・コーガン（旧ソ連）
第3位：Otto Armin（カナダ）

第3回（1975年）
第1位：Yuval Yaron（イスラエル）
第2位：イリヤ・グルーベルト（ソ連）
第3位：Eugen Sarbu（ルーマニア）

第4回（1980年）
第1位：ヴィクトリア・ムローヴァ（ソ連）
第2位：セルゲイ・スタドレル（ソ連）
第3位：Andres Cardenes（アメリカ）

第5回（1985年）
第1位：イリヤ・カーラー（ソ連）、レオニダス・カヴァコス（ギリシャ）
第3位：Vilmos Szabadi（ハンガリー）

第6回（1990年）
第1位：該当者なし
第2位：Cristina Anghelescu（ルーマニア）
第3位：Sigrún Edvaldsdóttir（アイスランド）、田中晶子（日本）

第7回（1995年）
第1位：ペッカ・クーシスト（フィンランド）
第2位：エリザベス・バティアシュヴィリ（グルジア）
第3位：佐藤まどか（日本）、Nikolaj Znaider（デンマーク）

第8回（2000年）
第1位：セルゲイ・ハチャトゥリアン（アルメニア）
第2位：玉井菜採（日本）
第3位：Zhi-Jiong Wang（中国）、日下紗矢子（日本）

第9回（2005年）
第1位：アリーナ・ポゴストキーナ（ドイツ）
第2位：陈佳峰（中国）
第3位：Hyun-Su Shin（韓国）、Wei Wen（中国）

第10回（2010年）
第1位：ニキータ・ボリソグレブスキー（ロシア）
第2位：ペッテリ・イーヴォネン（フィンランド）
第3位：エスター・ユー（アメリカ）

第11回（2015年）
第1位：クリステル・リー（アメリカ）
第2位：エマニュエル・チェクナヴォリアン（オーストリア）
第3位：フリデリケ・スタークロフ（ドイツ）

第12回（2022年）
第1位：ヤン・インモ（韓国）
第2位：ネイサン・メルツァー（アメリカ）
第3位：ドミトロ・ウドヴィチェンコ（ウクライナ）

シベリウス国際ヴァイオリン・コンクールは、その長い歴史を通じて、世界中の若き才能が競い合い、羽ばたいていくための重要な機会を提供し続けています。ヴァイオリン音楽の世界において、その存在感は揺るぎないものとなっています。

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