シムルトゥ・ノールの戦い

シムルトゥ・ノールの戦い：モンゴル帝国帝位継承戦争の転換点

シムルトゥ・ノールの戦いは、1260年に勃発したモンゴル帝国帝位継承戦争において、1261年にクビライ軍とアリクブケ軍の間で行われた重要な戦闘です。戦場となった場所は、漢文史料では昔木土脳児（xīmùtŭnǎoér）または石木温都（shímùwēndōu）、ペルシア語史料ではشيمولتای（shīmūltāī）と記録されています。

戦いの背景

帝位継承戦争は、正統性を主張するアリクブケに対して、クビライが軍事力で優位に立つという構図で始まりました。当初、アリクブケ軍は戦意に乏しく、クビライ軍に圧倒され、首都カラコルムを失うなどの苦境に立たされました。

しかし、アリクブケは単に敗北を甘んじて受け入れるわけではありませんでした。彼は一時的に降伏を装い、カラコルムを奪還するなど、反撃の機会をうかがっていました。

戦闘の経過

1261年11月、アリクブケは全軍をかき集め、クビライ軍の本営に奇襲を仕掛けました。オイラト部族を中核とするアリクブケ軍に対し、クビライ軍は東方三王家を味方につけ、兵力で優位に立っていました。奇襲は成功せず、兵站の準備も不十分だったアリクブケ軍は、クビライ軍の反撃に耐えきれず、早々に撤退を余儀なくされました。アリクブケ軍はゴビ砂漠以北へと退却しました。

戦いの影響

シムルトゥ・ノールの戦いは、補給力に大きな差があったクビライ軍とアリクブケ軍の関係を決定的にしました。この戦いを境に、アリクブケ軍は衰退の一途をたどることになります。クビライは、この勝利を足掛かりに、帝位継承戦争を有利に進め、最終的にモンゴル帝国の支配権を確立しました。

この戦いは、モンゴル帝国の歴史における重要な転換点であり、その後の帝国の分裂と変容に大きな影響を与えました。

関連項目

モンゴル帝国帝位継承戦争
クビライ
* アリクブケ

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