シメオン・サクスコブルクゴツキ

シメオン・ボリソフ・サクスコブルクゴツキ

シメオン・ボリソフ・サクスコブルクゴツキ（Simeon Borisov Sakskoburggotski, 1937年6月16日生まれ）は、ブルガリア王国の最後の国王として知られています。彼は1943年8月28日から1946年9月15日までの短い期間を王として過ごしました。シメオンはその後、2001年から2005年までブルガリア共和国の首相を務めました。国王時代の称号シメオン2世に続き、首相としてはサクスコブルクゴツキという姓で知られています。サクスコブルクゴツキ家は、ドイツのザクセン＝コーブルク＝ゴータ家の分家にあたります。

幼少期と亡命

彼はブルガリア王ボリス3世と王妃イオアンナの長男としてソフィアで生まれました。兄弟姉妹はおらず、父の死により、シメオンは6歳で王位に即位することとなります。しかし、王国は戦後の混乱の中、急速に体制が変わり、1946年に王制が廃止されました。これに伴い、シメオンは家族と共にブルガリアを後にし、エジプトへ亡命しました。その後、スペインへ移住し、アメリカのバレーフォージミリタリーアカデミーアンドカレッジを卒業。その後は実業家として活動を始めました。

政治への復帰

1996年、シメオンはブルガリアへ帰国しました。この帰国は政治的な意図を持たず、東欧革命後の民主化を象徴するものでした。しかし、経済状況の厳しさから彼への期待が高まり、2001年に「シメオン2世国民運動」を結成し、党首に就任しました。この政党は総選挙で議席の半数を獲得し、シメオンは再び政権の中心に立つこととなりました。彼の首相としての任期中、ブルガリアの経済改革は進展し、彼の手腕によって国が復活の道を歩んでいくこととなります。特に、彼の首相退任後の2007年にはブルガリアは欧州連合に加盟することができました。

シメオンの首相就任は、共産主義体制下で王位を追われた王族たちに希望を与えるものでした。しかし彼の後に、同様の影響力を持つ政治家は現れていません。首相としての彼は、王制復活の議題については国民の意向を重視すると述べるにとどまりました。

2015年以降の活動

2015年には、長男タルノヴォ公カルダムの死去により、シメオンの王位請求権の継承者が孫であるボリスに移行しました。同年の4月、ブルガリア正教会はシメオン2世のための祈りを奉神礼に加えることを決定し、シメオンは「ブルガリア皇帝シメオン2世」と呼ばれることになりました。しかし、この件について政界では賛否が分かれ、彼はブルガリア総主教に対し、祈りの追加を取りやめるよう求める書簡を送りました。

家族

1962年、シメオンはスペイン貴族のマルガリータ・ゴメス＝アセボ・イ・セフエラと結婚し、4男1女をもうけました。彼の息子たちの中には、カルダム（1962年 - 2015年）やキリル（1964年 - ）などがいます。また、シメオンはブルガリア正教会に属する熱心な信者でもあります。

2010年にはコハーリ公爵家の家督権を相続しましたが、翌2012年にその爵位を姉に譲ることになりました。彼は2017年に元ルーマニア国王ミハイ1世が亡くなった後、第二次世界大戦時に現存する最後の君主として注目を集めています。

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