シモバシラ

シモバシラ (霜柱)

シモバシラ（学名：Collinsonia japonica）は、シソ科に属する多年草です。枯れた茎にできる霜柱（霜華）が特徴的で、その美しい姿は冬の自然の芸術とも言えるでしょう。属名の「Collinsonia」は、植物学者である伊藤圭介にちなんで名付けられました。

特徴

シモバシラは宿根性の多年草で、茎は断面が四角形をしており、やや木質化しています。草丈は40cmから70cmほどで、先端に向かってやや水平に曲がります。葉は茎の節ごとに左右対称に生え、長さ8cmから20cmの楕円形で、薄くて柔らかく、つやがありません。葉の縁には軽い鋸歯が見られます。

花期は9月から10月頃で、茎の先端側の葉の付け根から総状花序を伸ばします。花序の軸は真上に伸び、花は軸の先端側に偏って咲きます。そのため、水平に伸びた茎から花序だけが立ち上がるというユニークな姿になります。花はほぼ真横を向いて咲き、花冠は白く、釣り鐘状で、雄しべが突き出ているのが特徴です。

分布

シモバシラは日本固有種であり、関東地方以南の本州から九州にかけて分布しています。低山の森林内、特に渓流周辺に群生することが多く見られます。

霜華（シモバナ）

シモバシラの最も特徴的な現象が、冬に見られる霜華（シモバナ）です。冬になるとシモバシラの茎は枯れてしまいますが、根はその後も活動を続け、枯れた茎の道管を通して水を吸い上げ続けます。外気温が氷点下になると、道管内の水分が凍結し、茎から霜柱が形成されます。この霜華は、地中の根が凍結するまで継続して見られます。

その他

ウィキメディア・コモンズには、シモバシラに関するカテゴリがあります。
ウィキスピーシーズには、シモバシラに関する情報があります。

シモバシラは、その独特な生態と美しい姿から、多くの人々に愛される植物です。特に冬に見られる霜華は、自然の神秘を感じさせてくれます。

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