シモンの空

シモンの空

『シモンの空』は、スイス出身の映画監督ウルスラ・メイエがメガホンを取り、2012年に公開されたドラマ映画です。原題はフランス語で『L'Enfant d'en haut』といい、「上の階の子ども」といった意味合いを持ちます。貧困の中で暮らす姉弟の間に芽生える複雑な関係性を軸に、社会の厳しさや人間の絆を描き出しています。

主要キャスト

物語の主要な登場人物を演じたキャストは以下の通りです。

シモン：ケイシー・モッテ・クライン
主人公の幼い少年。
ルイーズ：レア・セドゥ
シモンの姉。
クリスティン：ジリアン・アンダーソン
物語に関わる人物。
マイク：マーティン・コムストン
物語に関わる人物。
ジャン＝フランソワ・ステヴナン
ヤン・トレグエ

評価

批評家からの評価は概ね高い傾向にあります。例えば、主要な映画批評集積サイトであるRotten Tomatoesでは、60件のレビューが集計され、95%という非常に高い支持率を獲得しています。これは、多くの批評家が作品の質を認めたことを示しています。

国際映画祭での評価と受賞

本作は国際的な映画祭で高く評価され、いくつかの重要な賞を受賞しています。

第62回ベルリン国際映画祭

2012年2月に開催された第62回ベルリン国際映画祭において、『シモンの空』は最高賞である金熊賞を競うコンペティション部門で上映されました。審査の結果、特に優れた功績や革新性が認められた作品に贈られる銀熊賞（特別表彰）を受賞しました。これは、世界三大映画祭の一つであるベルリン映画祭での栄誉であり、国際的な注目を集める大きなきっかけとなりました。

第85回アカデミー賞外国語映画賞

さらに、『シモンの空』は、その年のアカデミー賞である第85回アカデミー賞において、スイス代表として外国語映画賞部門に出品されました（現在の国際長編映画賞）。各国の代表作品の中から最終候補作9作品のショートリスト（最終選考リスト）に残る快挙を成し遂げましたが、惜しくも最終的な5作品のノミネートリストには選ばれませんでした。しかし、アカデミー賞の最終選考まで進んだことは、本作の国際的な評価の高さを示す重要な実績です。

日本での紹介

日本国内では、本作の紹介方法が通常と少し異なりました。

映画祭での上映

まず、2012年の秋に開催された第19回大阪ヨーロッパ映画祭において、『シスター』という邦題で上映されました。これは、日本の観客が初めて劇場で本作を鑑賞できる機会となりました。

劇場未公開とテレビ放映

大阪ヨーロッパ映画祭での上映後、一般の映画館での全国公開は実現しませんでした。しかし、後に日本の衛星放送チャンネルであるWOWOWにて、『シモンの空』という新たな邦題でテレビ放映が行われました。劇場公開はされませんでしたが、テレビを通じてより多くの日本の映画ファンに作品が届けられることとなりました。

このように、『シモンの空』は、ベルリン映画祭での銀熊賞受賞やアカデミー賞最終選考入りといった国際的な栄誉を得た作品であり、日本では映画祭とテレビ放映という形で紹介された、深く心に残るドラマ映画です。

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