シャイアン (原子力潜水艦)

シャイアン (USS Cheyenne, SSN-773) の概要

シャイアンは、アメリカ海軍のロサンゼルス級原子力潜水艦の中で62番目に建造された艦です。この潜水艦は、ワイオミング州の州都シャイアンにちなんで名付けられており、最終建造艦としての役割を担っています。これまでにこの名前を持つ艦は、未完成のファーゴ級軽巡洋艦CL-117以来5隻目となります。特に就役した艦艇に限定すると、アーカンソー級モニター艦ワイオミング(M-10)の改名以来、3隻目にあたります。

艦歴

シャイアンの建造は1992年7月6日に始まり、場所はバージニア州ニューポート・ニューズのニューポート・ニューズ造船所です。艦は1995年4月16日に、ワイオミング州の上院議員アラン・K・シンプソンの妻であるアン・シンプソンによって命名されました。その後、艦は進水し、1996年9月13日にピーター・H・オジミック艦長の指揮の下で正式に就役しました。

シャイアンは、その設計に民生用の製品を用いたソナー・ディスプレイ用のフラット・スクリーンを装備した試験艦としての役割も持っていました。このように、新しい技術を試験する重要な艦としても機能しました。1998年には、母港を真珠湾に変更し、アメリカ太平洋艦隊の一翼を担うこととなります。

この潜水艦は、イラク戦争において特に重要な役割を果たしました。チャールズ・ドーティ艦長の指揮により、シャイアンはイラクの自由作戦に参加し、最初にトマホーク巡航ミサイルを発射した艦として名を馳せました。作戦は9ヶ月に及び、その後の3ヶ月間の活動においてもトマホークを発射し続けることで、「圧勝」と呼ばれる成果をあげました。

シャイアンは、ニューポート・ニューズ造船所で建造された最後のロサンゼルス級原子力潜水艦としても特筆に値します。ロサンゼルス級の後継には、シーウルフ級原子力潜水艦が建造されており、シャイアンはその歴史的な転換点の象徴ともいえる艦です。

2017年4月17日、アメリカと北朝鮮の間で緊張が高まる中、シャイアンは日本の長崎県佐世保市に姿を現しました。この浮上はおよそ45分ほどの短いものでしたが、日本のマスコミによって広く報道されました。艦の出現は、地域の安全保障協力を強化する意義を持つ出来事となりました。

シャイアンは、その運用と歴史を通じて、アメリカ海軍において重要な役割を果たしてきた艦艇の一つです。今後も、その存在や活動が注目されることでしょう。

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