ファーゴ級軽巡洋艦

ファーゴ級軽巡洋艦

ファーゴ級軽巡洋艦は、アメリカ海軍が第二次世界大戦中に計画した軽巡洋艦の艦級です。これは、先行するクリーブランド級軽巡洋艦の設計を基に、さらなる改良を加えたもので、特に重心の低減、艦橋の縮小、ボイラー配置の最適化、そして煙突の集合化が主な特徴です。これらの改良は、艦の安定性を高め、戦闘能力を向上させることを目的としていました。

設計と特徴

ファーゴ級の設計は、クリーブランド級の経験を踏まえ、より洗練されたものとなりました。具体的には、以下の点が改良されています。

砲塔と銃座の低重心化: これにより、艦のローリング（横揺れ）時の安定性が向上し、射撃精度が向上しました。
艦橋の縮小: 艦橋のサイズを縮小することで、被弾時の損傷リスクを低減させ、重量配分の最適化を図りました。
ボイラー配置の改善: ボイラーの配置を改善することで、艦全体の効率的なエネルギー供給が可能になり、航続距離と速力の向上が期待されました。
煙突の集合化: 煙突を一つにまとめることで、排煙効率が向上し、艦のレーダー反射面積を減らす効果がありました。

これらの改良は、単なる設計変更に留まらず、艦全体の戦闘能力向上に大きく貢献しました。ファーゴ級は、その設計思想において、当時のアメリカ海軍における技術的な進歩を象徴する存在でした。

計画と就役

ファーゴ級は13隻が計画されましたが、第二次世界大戦の終結が迫る中で、その建造計画は大幅に縮小されました。結果として、実際に就役したのは以下の2隻のみです。

ファーゴ (USS Fargo, CL-106)
ハンティントン (USS Huntington, CL-107)

他の11隻は、起工されたものの未完成のままキャンセルされ、その多くは戦後に解体されました。これらの未成艦には、ニューアーク、ニュー・ヘヴン、バッファロー、ウィルミントン、ヴァレーオ、ヘレナ、ロアノーク、未命名のCL-115、タラハシー、シャイアン、チャタヌーガが含まれます。

戦歴

就役した2隻のファーゴ級軽巡洋艦は、第二次世界大戦終結後の平時におけるアメリカ海軍の活動に貢献しました。しかし、本格的な戦闘に参加する機会はなかったため、その性能を実戦で試すことはありませんでした。これらの艦は、主に訓練や平和維持活動、そしてアメリカ海軍のプレゼンスを示すための活動に従事しました。

まとめ

ファーゴ級軽巡洋艦は、アメリカ海軍の軽巡洋艦の進化を象徴する艦級であり、クリーブランド級の改良型として、多くの設計上の進歩を示しました。しかし、第二次世界大戦の終結により、その活躍の機会は限定的となり、計画された13隻のうち2隻のみが就役するという結果になりました。その設計思想と技術的な成果は、後のアメリカ海軍の艦艇設計に大きな影響を与えたと言えるでしょう。

関連項目

アメリカ海軍巡洋艦一覧
アメリカ海軍艦艇一覧

外部リンク

Global Security.org - Fargo class cruiser
Global Security.org - Fargo class cruiser specifications

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