シャクティ・カリン

シャクティ・カリン (Shakti Kareen)

シャクティ・カリンは、アニメ『機動戦士Vガンダム』に登場する11歳のヒロインで、主人公ウッソ・エヴィンの幼なじみです。彼女は薄褐色の肌に黒髪、黒い目を持っており、初期の服装は薄黄色のタートルネック、茶色のジャケット、赤いスカートでした。しかし、宇宙に上がってからは、襟の大きな薄黄色のトップスに黄緑色のジャケットとスカートを纏うようになります。また、髪型も変わり、初めは肩のあたりで束ねていましたが、後には首元で結び、前髪はセンター分けにすることで、より大人びた印象を与えました。

彼女はザンスカール帝国の女王であるマリア・ピァ・アーモニアの娘であり、エースパイロットであるクロノクル・アシャーの姪にあたります。マリアと別れた理由は不明ですが、母と同じサイキッカー（ニュータイプ）としての素養を持ちながらも、戦争による悲劇を体験してきました。シャクティは、冷酷な政治に従うことを拒み、平和を求めるため、敵陣に単独で赴く無謀さを見せることもありました。

幼なじみのウッソに対しては、兄のように慕う一方で、彼への恋心も無意識に抱いています。物語の序盤では、戦争に怯えつつも、親が自分を見つけられるようにヤナギランを育てるなどの幼い一面が描かれています。特に、ベチエンが攻撃された際には、恐怖から逃れようとしながらヤナギランの種を植え続ける姿が印象的です。彼女は幾多の困難を乗り越え、成長していきますが、母であるマリアの存在が彼女にとっての精神的支えであり続けます。

シャクティの物語は、後半に進むにつれて彼女の成長を色濃く反映させます。母の影響を受け、彼女は強い意志を持ち始め、最終的には女王の娘としての威厳を見せつけます。サイキッカーとしては、母を超える能力を発揮し、戦争を終結させるために新たな力「ウォーム・バイブレーション」を発現させます。この能力によって、ザンスカール帝国の超巨大サイコミュ兵器エンジェル・ハイロゥを浄化し、物語は感動のクライマックスへと向かいます。

アニメでは、シャクティと母マリアの関係が丁寧に描かれており、彼女が「マリアおばさん」と呼び、最終的には本当の母親であることを知る過程が描かれています。小説版では、彼女の出生や背景がさらに深く掘り下げられ、物語の背景がより具体的に描かれています。

物語の最後には、ウッソとともに平和な生活を取り戻す姿が描かれ、カテジナ・ルースとの再会シーンなど、感情的な要素も盛り込まれています。彼女のキャラクターは、成長と平和への願いを象徴する存在として多くのファンに愛され、評価されています。

声優

シャクティの声は、テレビアニメ版では黒田由美（現在の市原由美）、その他のゲームシリーズでは小林愛や森田涼花が担当しています。

評価

彼女は『愛と戦いのロボット 完全保存版』でのアンケートによる「一番お気に入りのヒロイン」のランキングでも第54位にランクインし、その存在感が伺えます。シャクティ・カリンは、サイキッカーとしての特異な能力を持ち、また勇気をもって平和を求める姿勢が、多くの視聴者から支持され続けています。

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