シャドウラン

シャドウラン（Shadowrun）

『シャドウラン』は、FASAコーポレーションによって1989年に誕生したテーブルトークRPGです。サイバーパンクとファンタジーを融合させた独自の設定を持ち、「古代の魔法が蘇った近未来SF世界」を舞台に、プレイヤーはシャドウランナーと呼ばれる非合法な請負人としての役割を果たします。このゲームの特徴は、プレイヤーたちが高額の報酬を得るために危険な依頼を遂行することにあります。

舞台と世界観

シャドウランの物語は、21世紀中期の地球を基にした「第六世界」という世界観が設定されています。ここでは、2011年にマヤ文明の予言通り魔法が復活し、様々な神話的存在が現れています。この世界では、企業が計り知れない権力を持つ具合に治外法権が認められており、プレイヤーはその中で生き抜く必要があります。
現実の世界と平行して時間が進み、2050年から2075年にかけて、シアトルや東京といった特定の都市が主要な舞台として描かれています。この二つの都市は、異なる文化的背景とプレイヤーたちが感じる挑戦を提供しています。また、ウィリアム・ギブスンの『ニューロマンサー』の影響を受けたサイバーパンク的要素と、J.R.R.トールキンのファンタジー要素が巧みに組み合わされています。

シャドウランナー

シャドウランナーとは、依頼を受けて企業や犯罪組織の任務を実行する冒険者たちのことです。彼らは、暗殺、ハッキング、密輸などの非合法活動に従事し、高いリスクを伴う依頼を遂行します。彼らの動機は金銭的報酬だけでなく、時には個人的な理由や義理人情から来ることもあります。

ゲームシステム

このゲームでは、プレイヤーが特定の行為を行う際にサイコロを振り、成功の数に基づいて結果を決定します。第4版信号が簡略化されたシステムにおいては、数個のサイコロを振り、出た目によって成功数を判断します。特に5や6が出ると成功とされ、その出た数の多さによって結果が決まります。
また、特定のスキルや状況に応じて行動判定を行い、時には「グリッチ（glitch）」と呼ばれる失敗が発生し、不都合な事態が起こることもあります。

魔法とテクノロジー

シャドウランでは、魔法とテクノロジーの相互作用が重要な要素です。魔法の力は、この世界の特異性を象徴しており、魔法使いは一般人口の中で非常に少数派です。しかし、魔法の能力を持たないキャラクターも存在し、テクノロジーを駆使して様々な任務を遂行します。ここでのサイバーウェアやバイオウェアは、プレイヤーに肉体的な強化だけでなく、特殊なスキルを提供します。

メガコーポと社会構造

シャドウランの世界では、企業は巨大な力を持つ「メガコーポ」として描かれ、しばしば社会の規範を超えた力を発揮します。企業間の争いは激化し、非合法な手段も含めて、他社に対抗する方法が取られます。このため、企業に雇われたシャドウランナーは、自身が狙われる存在であったり、利用されたりするリスクを抱えています。

このゲームを通じて、プレイヤーたちは秩序が崩壊した社会における複雑な人間関係や強大な企業の影響力を体験し、自己責任で行動する選択を迫られます。

シャドウランは、サイバーパンクとファンタジーの融合を軸に、多面的な楽しさを提供する作品であり、卓上RPGとしての魅力を存分に発揮しています。

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