シャバツ

セルビアの古都シャバツ：歴史と文化が息づく街

シャバツ（Šabac）は、セルビア西部のマチュヴァ地域に位置する都市です。サヴァ川沿いに発展し、その歴史は中世にまで遡ります。戦略的な要衝として、また文化的な中心地として、シャバツはセルビアの歴史において重要な役割を果たしてきました。

歴史

シャバツの起源は古く、1454年には「ザスロン」という名で記録に登場します。オスマン帝国の支配下では、「ビイェルデレン要塞」が築かれました。その後、ハンガリー王国やオーストリア帝国との間で支配が移り変わる国境の町として発展しました。

19世紀初頭の第一次セルビア蜂起では、シャバツ近郊のミシャル村でカラジョルジェ・ペトロヴィッチ率いるセルビア軍がオスマン軍に勝利し、セルビアの独立運動を大きく前進させました。ミロシュ・オブレノヴィッチ1世の時代には近代化が進められ、病院、薬局、学校、劇場などが次々と設立されました。1883年にはセルビア初の新聞が発行され、文化的な発展を遂げました。

しかし、20世紀に入ると、シャバツは第一次世界大戦で大きな被害を受け、人口は半減しました。第二次世界大戦中にはナチス・ドイツの占領下となり、多くの市民が強制収容所に送られ命を落としました。

戦後、シャバツは工業都市として復興を遂げました。ゾルカ化学工場の拡張や新たな住宅地の造成が進められ、人口が増加しました。1970年代には近代的なスポーツホールが建設され、スポーツ文化も発展しました。

人口

シャバツ市街の人口は約5万5千人、基礎自治体全体では約12万人が暮らしています。郊外には多くの村落が点在し、豊かな自然の中で農業が営まれています。

経済

ユーゴスラビア時代には工業が盛んでしたが、1990年代の紛争と経済制裁により、多くの工場が閉鎖されました。現在では、農業、運輸、食品産業が主要な産業となっています。近年では、乳製品製造のシャバチュカ・ムレカラやゾルカ・ファーマなどの企業が成長しています。

スポーツ

シャバツには、FKマチュヴァ・シャバツというサッカークラブがあります。地元の人々に愛され、熱い応援を受けています。

姉妹都市

シャバツは、ギリシャのアルゴストリ、日本の富士見市、イスラエルのキリャト・アッタ、チェコのクラルピ・ナド・ヴルタヴォウと姉妹都市提携を結んでいます。

シャバツ出身の著名人

ミロスラヴ・ジュキッチ - 元サッカー選手・サッカー指導者
ネマニャ・マティッチ - サッカー選手

シャバツは、その豊かな歴史と文化、そして人々の温かさで訪れる人々を魅了する街です。セルビアを訪れる際には、ぜひシャバツにも足を運んでみてください。

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