シャフリル (ミサイル)

シャフリルについて

シャフリルは、イスラエルのラファエル・アドバンスド・ディフェンス・システムズ社が開発した短距離空対空ミサイルです。赤外線誘導方式を採用したこのミサイルは、1960年代から量産が行われ、多くの国に採用されています。

シャフリル1

シャフリル1は、AIM-9Bサイドワインダーをベースにした改良型で、1959年から1964年にかけて開発が進められました。初めての試射は1963年に実施され、イスラエルの兵器国産化を目指して設計されたものでした。しかし、シャフリル1は信頼性に欠ける武器であったため、イスラエル空軍はこのミサイルの代わりに鹵獲したソ連製ミサイルを使用する事態となりました。その結果、さらなる改良を施したシャフリル2の開発が急がれました。

シャフリル1のスペック

• - 全長: 250 cm (2.5 m)
• - 全幅: 55 cm
• - 胴体直径: 14 cm
• - 重量: 65 kg
• - 弾頭重量: 11 kg
• - 射程: 5 km
• - 最大速度: Mach2 (2,120 km/h, 1,320 mph)

シャフリル2

シャフリル2は、シャフリル1の後継機として1962年から開発が進められました。このモデルでは、誘導機能や近接信管が改良され、1965年には試射が行われました。AIM-9Dとの互換性も持ち、1968年からは正式に配備が開始され、1973年には第四次中東戦争で実戦投入され、撃墜成果を上げるなどその効果を証明しました。シャフリル2の開発の後には、さらに高性能な後継ミサイルパイソンが開発されています。

シャフリル2のスペック

• - 全長: 250 cm (2.5 m)
• - 全幅: 55 cm
• - 胴体直径: 15 cm
• - 重量: 93 kg
• - 弾頭重量: 11 kg
• - 射程: 5 km

採用国

シャフリルは、いくつかの国で導入されており、以下のような国々での採用が確認されています。

• - アルゼンチン: 1984年にシャフリル2を75発購買
• - イスラエル: 開発国
• - エクアドル: 1984年に75発
• - コロンビア: 1989年に80発
• - ホンジュラス: 1978年に100発
• - 中華民国（台湾）: 1977年に450発
• - チリ: 1997年に50発
• - トルコ: シャフリル2の導入

このように、シャフリルは数多くの国において重要な空対空ミサイルとして利用され続けており、その性能や進化は今後の航空戦にも影響を与えると期待されています。後継のパイソンミサイルとあわせて、洗練された軍事技術がつづく世界での競争を象徴する存在です。

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