ホンジュラス共和国の概要
ホンジュラス共和国(
スペイン語:República de Honduras)は、
中央アメリカに位置する
共和制国家です。南には
ニカラグア、西には
グアテマラ、南西には
エルサルバドルと接し、北東側は
カリブ海に面しています。国境は19世紀から20世紀にかけて確定され、近年はスワン諸島やバイーア諸島を持つっせいで、海上交通も重要な役割を果たしています。
首都は
テグシガルパであり、国の政治的および文化的中心地となっています。
歴史
先コロンブス期
ホンジュラスには、紀元前1万年頃から原住民が住んでいたとされています。特に重要な文化的遺跡には、オルメカ文明や
古典期の
コパン遺跡があり、これらはホンジュラスの土着文化の基盤となっています。古代マヤ文明は、ホンジュラスにおいても栄え、多くの遺跡が現在も残っています。
植民地時代
1502年、
クリストファー・コロンブスがホンジュラスを発見しました。その後、
1519年には
スペインの征服者
エルナン・コルテスが侵攻し、ホンジュラスは
スペインの植民地となりました。植民地時代を通じて、国は
グアテマラ総督領に組み込まれ、
銀鉱山の発見などが経済を活性化させました。1537年にはインディヘナのリーダー、レンピーラによる大規模な反抗がありましたが、これを契機に一層の植民地化が進みました。
1811年からは
独立闘争が始まり、
1821年には
スペインから
独立を果たしました。その後、ホンジュラスは
1823年から
1839年まで
中央アメリカ連邦共和国の一部として存在しましたが、
1838年に
独立したホンジュラス共和国が成立しました。20世紀に入ると、
ニカラグアと
エルサルバドルとの国境問題や王政復古、地元
ギャングの台頭など、周囲の情勢に大きな影響を受けました。
政治
ホンジュラスは
大統領を
元首とする
共和制国家であり、
行政権は
大統領に与えられています。
立法権は
一院制の国民議会に属し、
司法権は最高裁判所に捻じ曲げられています。なお、近年、2009年にホセ・
マヌエル・セラヤ大統領によるクーデターが発生し、大きな混乱を招きました。このクーデター以降も、政治的な対立は続いています。
経済
ホンジュラスの経済は主に
バナナ産業に依存しています。かつて「
バナナ共和国」と呼ばれたこともあり、今日でもユナイテッド・フルーツとスタンダード・フルーツなどアメリカ資本の影響が色濃く残っています。しかし、国は重債務貧困国として位置づけられ、
西半球の中でも特に貧しい国の一つとなっています。
人口の半数以上が貧困ライン以下の生活を強いられ、そのためにJICAなどの支援が行われています。
社会と文化
ホンジュラスの住民は、
メスティーソ(混血)が90%を占め、インディヘナやアフリカ系住民が少数を占めています。このため、文化は多
民族的な特徴を持ちます。主な使用言語は
スペイン語ですが、先住民の言語としてミスキート語や
ガリフナ語なども存在しています。ホンジュラスでは
サッカーが最も人気のある
スポーツで、国民的な関心を集めています。
まとめ
ホンジュラスはその豊かな歴史、文化、地理的多様性を有した国ですが、経済的には依然厳しい状況にあります。国民の生活向上のためにはさらなる努力が求められています。特に、教育や安全保障の分野において改善が急務とされており、その状況から目を離してはいけません。