シャム猫FBI/ニャンタッチャブル

シャム猫FBI／ニャンタッチャブル：猫が事件を解決!?

1965年、ウォルト・ディズニー・プロダクションが贈るコメディ映画『シャム猫FBI／ニャンタッチャブル』（原題：That Darn Cat!）は、一匹のシャム猫が巻き起こす騒動を描いた、心温まる物語です。

物語の中心となるのは、D.C.と名付けられたシャム猫。ある夜、夜の散歩中に迷い込んだ先が、銀行強盗の隠れ家だったのです。そこでは、銀行員マーガレット・ミラーが人質として監禁されていました。

マーガレットは、機転を利かせ、自分の腕時計に「HEL」と刻み込み、D.C.の首に付けて脱出を図ります。D.C.は無事脱出に成功し、飼い主であるパティ・ランドールのもとへ帰還。パティは腕時計の刻印を「HELP（助けて）」の一部と見抜き、FBIに通報します。

しかし、事件を担当することになったFBI捜査官ジーク・ケルソーは、なんと猫アレルギー。猫を前にくしゃみと格闘しながらの捜査は、予想外の困難を伴います。

パティの姉イングリッド、ケルソーの部下たち、イングリッドのボーイフレンドであるグレゴリー・ベンソン、パティの幼馴染のカヌー、そして近隣住民のマクドゥーガル夫妻など、様々な人々がこの事件に巻き込まれ、大騒動へと発展していきます。

それぞれの個性的なキャラクターたちが織りなすドタバタ劇は、笑いとハラハラドキドキの連続。猫を介して事件に関わっていく人々の交流、そして事件解決への過程は、観る者の心を温かく満たしてくれるでしょう。

監督はロバート・スティーヴンソン。脚本はビル・ウォルシュとゴードン夫妻が手掛け、ゴードン夫妻による原作小説『Undercover Cat』を映画化しました。音楽はボブ・ブラナーが担当し、シャーマン兄弟作詞、ボビー・ダーリン歌唱による主題歌「That Darn Cat!」も見どころの一つです。

キャストには、パティ役をヘイリー・ミルズ、ジーク役をディーン・ジョーンズが務め、その他、ドロシー・プロヴァイン、ロディ・マクドウォール、エルザ・ランチェスター、ウィリアム・デマレストなど、実力派俳優たちが脇を固めます。

1997年には『誘拐騒動／ニャンタッチャブル』としてリメイクされていますが、オリジナル版の持つ独特の雰囲気、軽妙なユーモア、そして心温まるストーリーは、時代を超えて多くの観客を魅了し続けています。

この映画は、単なるコメディ映画という枠を超え、人々の繋がり、そして予期せぬ出来事から生まれる友情や協力の姿を描いた、普遍的なテーマを持つ作品と言えるでしょう。猫好きはもちろん、そうでない人にも、その魅力あふれる世界観はきっと忘れられない感動を与えてくれるはずです。

ぜひ、この可愛らしいシャム猫と、それを取り巻く人々の騒動劇を、劇場で、もしくは自宅で楽しんでみてください。D.C.の活躍と、事件解決への道程に、あなたもきっと心奪われることでしょう。

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