ドロシー・プロヴァイン

ドロシー・プロヴァイン（Dorothy Provine, 1935年1月20日 - 2010年4月25日）は、アメリカ合衆国の女優です。そのキャリアは、1950年代後半から1960年代にかけて、映画とテレビの両方で輝かしい成功を収めました。

生い立ちとキャリアの始まり

1935年、サウスダコタ州デッドウッドで生まれたプロヴァインは、ワシントン大学で演劇を専攻しました。大学卒業後、ロサンゼルスに移り、1957年から本格的な女優活動を開始しました。1958年には映画『鉛の弾丸をぶちかませ』で映画デビューを果たし、その後、数々のテレビドラマに出演しました。

「マンハッタン・スキャンダル」でのブレイク

プロヴァインを一躍有名にしたのは、1960年から1962年にかけて放送されたテレビドラマ「マンハッタン・スキャンダル」（原題：The Roaring 20's）での歌姫ピンキー・ピンカム役です。このドラマは、禁酒法時代のニューヨークを舞台に、新聞記者2人がピンキーの協力を得て、様々な事件を解決していく物語です。プロヴァインは、毎回のクラブシーンで1920年代の流行歌やダンス（チャールストン）を披露し、その華やかな姿は当時の日本の視聴者にも強い印象を与えました。日本では、女優名よりも役名のピンキー・ピンカムとして親しまれるほどでした。

彼女のダンスシーンは、しばしばその脚線美も注目され、後の映画『グレートレース』でも、酒場の歌姫役でその魅力を発揮しました。劇中では、主人公トニー・カーチスを誘惑する場面や、ヒロイン役のナタリー・ウッドとの大乱闘シーンもあり、コメディエンヌとしての才能も発揮しました。

コメディエンヌとしての活躍

プロヴァインは、コメディ映画への出演も多く、『おかしなおかしなおかしな世界』では、大金を求めて奔走する人妻役をユーモラスに演じました。この映画では、スカートが破れて美しい脚を露わにしながら追いかけるシーンが印象的で、そのコミカルな演技は観客を魅了しました。

その他の出演作品

プロヴァインは、他にも多数の映画やテレビドラマに出演しています。映画では、『グレートレース』や『シャム猫FBI/ニャンタッチャブル|シャム猫FBI_ニャンタッチャブル』など、テレビドラマでは、『サンセット77』や『ヒッチコック劇場』、『0011ナポレオン・ソロ』など、様々なジャンルの作品でその才能を発揮しました。

死去

2010年、慢性閉塞性肺疾患のため、ワシントン州の自宅で75歳で死去しました。

主な出演作品

映画

Live Fast, Die Young (1958) ※出演シーンカット
鉛の弾丸をぶちかませ (1958)
Riot in Juvenile Prison (1959)
The 30 Foot Bride of Candy Rock (1959)
You're Only Young Once (1962)
Wall of Noise (1963)
おかしなおかしなおかしな世界 (1963)
ちょっとご主人貸して (1964)
グレートレース (1965)
シャム猫FBI/ニャンタッチャブル|シャム猫FBI_ニャンタッチャブル (1965)
殺しのビジネス (1966)
Who's Minding the Mint? (1967)
怪盗大旋風 (1968)
偽装!?自家用機遭難 (1968)

テレビドラマ

百万ドル貰ったら (1958)
連邦保安官 (1958)
サンセット77 (1958, 1959, 1960)
幌馬車隊 (1958, 1959)
私立探偵マイク・ハマー (1959)
シマロン・シティ (1959)
マッコイおじさん(1959)
ヒッチコック劇場 (1959)
The Rough Riders (1959)
テキサン (1959)
コルト45 (1959)
シュガーフット(アリゾナ・トム) (1959)
ブロンコ (1959)
アラスカンズ (1959 - 1960)
マンハッタン・スキャンダル(ローリング20) (1960 - 1962)
ハワイアン・アイ (1962)
ギャラント・メン (1963)
ドクター・キルデア (1965)
0011ナポレオン・ソロ (1965)
FBIアメリカ連邦警察 (1968)
恋愛専科 (1970)
警察物語 (1973)
* 女刑事ペパー (1976)

ドロシー・プロヴァインは、その明るい笑顔とコミカルな演技で、多くのファンを魅了しました。彼女の出演作品は、今でも多くの人々に愛され続けています。

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