シャルル・シャノワーヌ

シャルル・シュルピス・ジュール・シャノワーヌの生涯

シャルル・シュルピス・ジュール・シャノワーヌ（Charles Sulpice Jules Chanoine, 1835年12月18日 - 1915年1月9日）は、19世紀のフランスで活躍した軍人です。最終階級は師団将軍にまで昇りつめ、陸軍大臣も務めるなど、フランス軍において重要な役割を果たしました。彼は、日本とフランスの軍事交流にも深く関わった人物としても知られています。

幕府軍事顧問団としての来日

1867年、シャノワーヌは陸軍教官団を率いて日本にやってきました。当時、江戸幕府は西洋式の軍事制度を取り入れる必要に迫られており、フランス軍の協力を得ていました。シャノワーヌは、歩兵、砲兵、騎兵の三兵教練を指導し、幕府軍の近代化に貢献しました。第一次フランス軍事顧問団には、ジュール・ブリュネ砲兵中尉など、多くの士官や下士官が同行していました。

戊辰戦争とブリュネの脱走

1868年に戊辰戦争が勃発すると、フランス本国は中立の方針をとっていましたが、ジュール・ブリュネ大尉は旧幕府軍とともに箱館まで転戦しました。シャノワーヌは、このブリュネの脱走を暗黙のうちに了承していたとされています。シャノワーヌ自身は榎本武揚と面識があり、帰国前に榎本の元を訪れています。この頃、日本とフランスの関係は複雑な様相を見せていました。

軍人としてのキャリア

1868年11月、シャノワーヌは日本からフランスに帰国し、その後もブリュネと親交を深めました。日清戦争での日本の功績を称え、1895年には明治政府から勲二等旭日重光章を授与されました。その後、フランス軍で最高位である師団将軍にまで昇進し、その軍事的な能力の高さを証明しました。

陸軍大臣としての活動と辞任

1898年9月17日、シャノワーヌはアンリ・ブリッソン内閣の陸軍大臣に就任しました。彼は、陸軍大臣官房長にブリュネを登用するなど、独自の政策を進めようとしました。しかし、当時、フランス社会を揺るがしていたドレフュス事件を巡り、軍と右派はドレフュスの再審に強く反対していました。シャノワーヌも再審に反対したため、ブリッソン首相との意見の対立が深まり、10月25日に辞任を表明。これにより、ブリッソン内閣は総辞職に追い込まれました。

息子たちの不祥事と晩年

シャノワーヌの息子であるジュリアン・シャノワーヌ大尉は、ポール・ヴーレ大尉とともにチャド征服のためにアフリカに渡りました。しかし、彼らの遠征隊は複数の村落で虐殺を行うなど、不審な行動が目立ちました。1899年、ヴーレ大尉はクロブ中佐を射殺し、その後、クロブ中佐の部隊によってジュリアンとヴーレは殺害されるという事件が起きました。この事件は「ヴーレ＝シャノワーヌ事件」として知られています。シャノワーヌは息子の死の真相を追求しようとしましたが、軍との対立を深め、1900年に退役しました。もう一人の息子、ジャック・シャノワーヌも軍人となり、旅団将軍にまで昇進しました。

シャノワーヌは、激動の時代を生きた軍人として、その生涯は多くの出来事に彩られています。

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