シャレード (1963年の映画)

映画『シャレード』について

『シャレード』（Charade）は1963年に公開されたアメリカ映画で、ユニバーサル・ピクチャーズが手掛けるロマンティック・サスペンス作品です。主演にはケーリー・グラントとオードリー・ヘプバーンが起用され、スタンリー・ドーネンが監督を務めました。この映画は日本でも大ヒットを記録し、1963年度と1964年度には洋画の配給収入ランキングでそれぞれ7位と5位にランクインしています。また、オードリー・ヘプバーンの衣装を手掛けたのは高名なデザイナー、ジバンシィでした。さらに2022年にはアメリカ国立フィルム登記簿に登録されています。

ストーリー

物語は、スキー旅行から帰ったレジーナ・ランパートが、夫チャールズとの離婚を決意するところから始まります。自宅に戻ったレジーナは、所有物がすべて消えていることに気付きます。彼女のもとに司法警察のグランピエール警部が現れ、夫の死を告げます。警部が語るには、チャールズは競売にかけた家財道具の落札代金25万ドルを持ってパリを逃げようとしましたが、何者かによって列車から突き落とされたというのです。

チャールズの葬儀は非常に寂しく、出席者はレジーナ、親友のシルヴィ、そしてグランピエール警部のみでした。葬儀中、レジーナは葬儀にやってきたギデオン、テックス、スコビーの3人がチャールズの柩を確認するのを目撃します。その後、アメリカ大使館からの連絡を受け、レジーナはチャールズの本名が「チャールズ・ヴォス」であり、第二次世界大戦中にOSSに所属していたことを知ります。

物語は、チャールズが金塊を調達するために行った任務が原因で深い謎につながっていきます。彼の死後、金塊を狙う旧友たちがレジーナのもとを訪れ、「金をよこせ」と脅迫してきます。レジーナはスキー旅行中に知り合ったピーター・ジョシュアの助けを借り、3人の脅迫者から身を守ろうと奮闘しますが、彼自身も過去の友情が絡み合い、状況は一層混迷を深めます。

レジーナとピーターの関係が深まっていく中で、彼らは互いの正体や真実に向き合うことになります。しかし、彼女はピーターが金を独り占めする可能性があることを疑い、さらなる緊張が生じます。彼らと金を狙う3人の対峙、そして互いの信頼の揺らぎが、映画に緊迫感を加えています。

制作背景

本作を手掛けたスタンリー・ドーネンは、『北北西に進路を取れ』のような冒険・サスペンス・ユーモアに満ちた作品を求めていました。最初はコロンビア・ピクチャーズでの制作が計画されていましたが、オードリー・ヘプバーンとケーリー・グラントの起用過程で様々な波折があり、最終的にドーネンはユニバーサル・ピクチャーズに権利を売却しました。彼の熱意や努力が、この名作を生み出したのです。

『シャレード』はリリースと同時に絶賛を受け、興行的にも大成功を収めました。ニューヨークのラジオシティ・ミュージックホールでの動員数は記録的なもので、多くの映画ファンに深い印象を残しました。日本でも大ヒットとなり、両国共に映画史に名を刻む一作となりました。

音楽

この作品の音楽を担当したヘンリー・マンシーニは、ポップなアレンジのサウンドトラックを再録音し、映画のテーマ曲はアメリカのビルボードチャートでも高評価を受けました。特に、映画にふさわしい音楽は観客に愛され、映画の魅力を一層引き立てる要因となりました。

余聴

オードリー・ヘプバーンとケーリー・グラントの撮影現場でのエピソードや製作秘話も多彩で、二人のキャスティングは観客にとって特別な魅力を放っています。特に、ヘプバーンはグラントとのカメラの前での初対面での失敗談を振り返り、二人の友情を深めた瞬間として語っています。これらのエピソードは、映画への愛着をさらに深めてくれるものです。

結論

『シャレード』は、素晴らしいキャスト、緻密なストーリー、魅力的な音楽が融合した名作です。オードリー・ヘプバーンとケーリー・グラントの共演は、映画史に残る名シーンを生み出し、観る者に忘れられない印象を与え続けています。この映画を通じて、謎解きの楽しさと共に、愛と友情の深さも感じさせる作品となっています。

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