ヘンリー・マンシーニ

ヘンリー・マンシーニ（Henry Mancini）

生涯
1924年4月16日、オハイオ州クリーブランドに生まれたヘンリー・マンシーニは、イタリア系アメリカ人の作曲家、編曲家。実名はエンリコ・ニコラ・マンチーニ。幼い頃からフルート奏者の父親に楽器の技術を習い、高校卒業後はジャズ界の巨星ベニー・グッドマンの勧めでニューヨークに進出。名門ジュリアード音楽院でマリオ・カステルヌーヴォ＝テデスコやエルンスト・クルシェネクに学びます。

第二次世界大戦では空軍に所属し、マーチングバンドでの演奏経験を積みました。その後、音楽への情熱をより深め、著名なグレン・ミラー楽団にアレンジャー兼ピアニストとして参加。1952年にはユニバーサル映画に入社し、映画音楽としてのキャリアを本格的にスタートさせます。

ここから彼は『大アマゾンの半魚人』やアボットとコステロの喜劇の音楽を手掛けつつ、1950年代には『グレン・ミラー物語』や『黒い罠』などで自身の名を広めていきます。1960年代にはオードリー・ヘプバーンが主演した『ティファニーで朝食を』や『シャレード』などで特に注目を集め、楽曲も高い評価を受けました。

特に『ティファニーで朝食を』の挿入歌『ムーン・リバー』は多くの人に親しまれ、スタンダードナンバーとしても知られています。マンシーニはまた、TVシリーズ『刑事コロンボ』や『ピーター・ガン』、『ピンク・パンサー』などのテーマ曲でも有名です。

人柄と影響
温和で優しい人柄が広く知られており、オードリー・ヘプバーンやクインシー・ジョーンズ、ジェリー・ゴールドスミスなど数多くの著名な音楽家や友人に愛されました。外国人作曲家との親交も深く、モーリス・ジャールやミシェル・ルグランとも親しい関係を築き、互いに影響を与え合いました。また、いくつかの大学で名誉博士号を授与され、後進の育成にも力を注ぎました。

晩年と受賞歴
マンシーニは1994年6月14日に膵臓および肝臓癌で亡くなりました。死去時、彼は70歳を迎えており、その功績は今もなお多くの人に称賛されています。マンシーニの音楽はジャンルを超えて影響を与え続け、彼は生涯にわたりグラミー賞やアカデミー作曲賞を受賞し、多くの名曲を残しました。

主な作品
ティファニーで朝食を (Breakfast at Tiffany's, 1961年)
ピンクの豹 (The Pink Panther, 1963年)
酒とバラの日々 (Days of Wine and Roses, 1962年)
シャレード (Charade, 1963年)
暗くなるまで待って (Wait Until Dark, 1967年)
暁の出撃 (Darling Lili, 1970年)
ピンク・パンサー2 (The Return of the Pink Panther, 1975年)
ビクター/ビクトリア (Victor/Victoria, 1982年)

これらの作品は、既に映画音楽の一部として独自の地位を築いており、今なお多くの人々に親しまれています。

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