シャンデルナゴルの戦い

シャンデルナゴルの戦い：イギリスとフランスの衝突

シャンデルナゴルの戦いは、七年戦争と第三次カーナティック戦争の最中、1757年3月23日に勃発しました。イギリス東インド会社のロバート・クライヴ率いる陸軍と、チャールズ・ワトソン率いるイギリス艦隊が、フランス植民地のシャンデルナゴルを攻撃し、占領した戦闘です。

戦いの背景

1756年6月、ベンガル太守シラージュ・ウッダウラは、フランスの支援を受け、イギリス領カルカッタを包囲しました。イギリスのカルカッタ総督ロジャー・ドレイクは逃亡し、副司令官ジョン・ゼファニヤ・ホルウェルは降伏。しかし、その夜、イギリス兵捕虜146名が「カルカッタのブラック・ホール」と呼ばれる小さな牢獄に収容され、123名が窒息死するという悲劇が起こりました。その後、シラージュ・ウッダウラはイギリスの工場を破壊し、モスクを建設するよう命じ、カルカッタをアリーナガルと改名しました。

12月中旬、イギリス軍司令官ロバート・クライヴは、歩兵150人、砲兵100人、セポイ1,200人を率いてマドラスからカルカッタへ進軍。翌年1月2日にカルカッタを奪還し、シラージュ・ウッダウラに宣戦布告しました。その後、シラージュ・ウッダウラはイギリスに事業再開の許可を与えましたが、和平交渉は決裂。クライヴはベンガル軍に夜襲をかけ、シラージュ・ウッダウラの軍勢を破りました。この時、イギリスと内通していたミール・ジャアファルらの進言により、シラージュ・ウッダウラはアリーナガル条約に調印し、休戦協定を結びました。

戦闘の経過

休戦協定締結後、クライヴとワトソンはシャンデルナゴルへの遠征を計画します。シャンデルナゴルは、カルカッタから数マイル上流に位置し、フランスの東インドにおける重要な拠点の一つでした。クライヴはシラージュ・ウッダウラにシャンデルナゴル攻撃を提案しますが、拒否されます。しかし、3月にボンベイからの増援を得たクライヴは、太守の意向を無視して攻撃を決意しました。

クライヴは、ヨーロッパ兵士700人とセポイ1,700人の遠征軍を編成し、ワトソンとジョージ・ポコックの艦隊が援護します。フランスがシャンデルナゴルを中立地とする意向を示したことで行動は遅れますが、ワトソンは地形を調査し、川の上流への通路を発見。3月7日に進軍を開始し、1週間後にシャンデルナゴルを包囲しました。

3月19日、ワトソン率いるイギリス艦隊は、シャンデルナゴル付近でフランスの火船を破壊。21日にはポコックの艦隊が合流します。23日、クライヴ、ワトソン、ポコックは陸海からシャンデルナゴルを砲撃し、3時間後、フランス軍は降伏しました。

戦いのその後

シャンデルナゴルから逃亡したフランス人は、シラージュ・ウッダウラ太守に保護されます。イギリスはこれに不満を抱き、太守の部下の陰謀に加担。クライヴはシラージュ・ウッダウラを攻撃し、プラッシーの戦いで勝利。シラージュ・ウッダウラは後に殺害されました。

シャンデルナゴルは、1763年のパリ条約でフランスに返還されました。

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