シャンプー (らんま1/2)

シャンプー：らんま1/2|らんま1_2の熱烈な求愛者

高橋留美子による人気漫画『らんま1/2|らんま1_2』およびアニメ作品に登場するシャンプーは、中国の武闘民族・女傑族の少女です。女傑族総帥コロンの曾孫にあたる彼女は、独特の言葉遣いと魅力的な容姿で知られています。アニメ版では佐久間レイ、パチンコ版では釘宮理恵、ゲーム『三国志大戦』では千葉千恵巳がそれぞれ担当声優を務めました。

呪われた運命と日本での生活

16歳のシャンプーは、修行中のらんま（早乙女乱馬の女性の姿）と戦って敗北します。女傑族の掟により、敗れた相手が女性ならば死の接吻で殺し、男性ならば夫に迎えなければならないという厳しいルールに従い、らんまを追って日本へやってきます。天道道場で乱闘騒ぎを起こしたシャンプーは、男の姿のらんまに制圧され、彼への求婚を始めます。しかし、らんまの男女両性という事実を知ると、掟を守れぬまま中国へ帰国します。

帰国後、呪泉郷で修行中に猫溺泉に落ちてしまうアクシデントに見舞われ、水をかぶると猫、湯をかぶると人間に戻る体質になってしまいます。その後、父とコロンと共に日本へ戻り、中華料理店「猫飯店」でウェイトレスとして働き始めます。らんまが男性であることを知った後も、その熱烈な求愛は続き、物語に大きな彩りを添えます。

個性的な性格と戦闘能力

シャンプーは明るく愛想がよく、猫飯店での接客も評判が良いです。恋愛に関しては大胆で積極的ですが、自分のわがままを通す一面も持ち合わせています。一方で、恋愛以外のことに関してはドライな一面も。物語序盤ではあかねに対して強い敵意を持っていましたが、物語が進むにつれてその敵意は薄れていきます。物語終盤では、久遠寺右京や九能小太刀と手を組んで、らんまをあかねから奪おうとする場面も増えます。また、自分の思い通りにならないと、らんまの猫恐怖症を利用して猫の姿になり、彼を脅迫することも少なくありません。

幼馴染のムースに対してはぞんざいな態度をとることがありますが、内心では嫌っているわけではありません。二ノ宮ひな子にも敗北し、死の接吻を与えていますが、再戦後はひな子との戦いをらんまに任せ、直接対決は避けています。酒に酔うと笑い上戸になるという一面も持ち合わせています。

戦闘においては、女性陣の中でもトップクラスの実力者です。双錘という武器を使いこなす彼女は、あかねを上回る実力を持っていますが、女性の姿のらんまや男性陣には及ばないと言われています。アニメでは、日本に来てからの修行不足により、中国にいた頃より弱くなったと語られています。

特殊な技とアイテム

シャンプーは様々な技を駆使します。「洗髪香膏指圧拳」は、漢方液配合のシャンプーとツボ押しで相手の記憶を操作する技です。記憶操作には110番、記憶回復には119番の漢方液を使用します。「おかもち返し」は格闘出前の技で、指でおかもちを突いて中身をひっくり返します。「微笑み三年殺し」は女傑族の奥義の一つと誤解されていますが、実際には使用していません。他にも「操身術」や、爆発する肉まん、など、個性豊かな技を持っています。

また、シャンプーは様々なアイテムを使用します。「即席男溺泉の素」は一度限りのインチキ商品ですが、らんまをデートに誘うために使用します。「傀儡芝」という毒茸を使って肉まんを作り、乱馬を操ろうとしますが、猫のくしゃみが原因で計画は失敗します。「抗水香鹸」は変身体質を一時的に改善する石鹸で、良牙の手に渡ります。「猫魔鈴」は大きい鈴と小さい鈴があり、持ち主の縁を結ぶとされていますが、大きい鈴には化け猫が封じ込められています。「反転宝珠」は女傑族の秘宝で、正位置では愛を深め、逆位置では憎しみに変えます。シャンプーはこれを逆位置に付けてしまい、一時的に乱馬を嫌うようになります。

作品における位置づけと人気

『らんま1/2|らんま1_2』に登場する多くの中国人キャラクターの中で、長文の中国語を話すのはシャンプーだけです。山口勝平（男らんま役）はシャンプーを好きな女性キャラクターに挙げています。2019年の『発表!全るーみっくアニメ大投票』では、『らんま1/2|らんま1_2』キャラの中で4位にランクインする人気キャラクターです。原作とアニメでは口調が若干異なり、原作では語尾に「〜ある。」、アニメでは「〜ね。」と変化しています。名前の由来は洗髪剤のシャンプーではなく、作者の閃きによるものです。

2022年には、ファッションブランドmayla classicとのコラボレーションで、シャンプーをイメージしたチャイナドレス風の靴が発売されました。

シャンプーは、その個性的なキャラクター性と、らんまへの一途な想いで、多くの読者・視聴者の記憶に残るキャラクターとなっています。

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