シャーロット・クーパー

シャーロット・クーパーは、1870年9月22日にイングランドのロンドンで生まれ、1966年10月10日に96歳でその生涯を閉じました。彼女は、テニス界における先駆的な存在として、特に女子テニスの発展に大きく貢献した人物です。

彼女の輝かしいキャリアの中で、最も特筆すべきは1900年のパリ五輪での活躍でしょう。この大会で、クーパーは女子シングルスと混合ダブルスの両方で金メダルを獲得し、オリンピックのテニス競技における女子初の金メダリストという歴史的な偉業を達成しました。この勝利は、女子テニスが国際的な舞台で認められる上で、重要な一歩となりました。

また、クーパーはウィンブルドン選手権でも傑出した成績を残しています。1895年に初優勝を飾ってから1902年まで、8年連続で決勝に進出するという驚異的な記録を打ち立てました。その間、1895年、1896年、1898年、そして1901年の4度、優勝を果たしています。当時のウィンブルドンでは、前年優勝者と挑戦者が決勝で戦う「オールカマーズ・ファイナル」方式が採用されており、クーパーはその中で幾度も勝利を重ねました。特に、1901年の決勝で前年優勝者ブランチ・ビングリー・ヒルヤードからタイトルを奪還した試合は、彼女の不屈の精神を示す象徴的な出来事と言えるでしょう。

1901年にアルフレッド・ステリーと結婚した後、彼女は「シャーロット・クーパー・ステリー」という名前で競技を続けました。夫のアルフレッドは、イギリスのローンテニス協会の会長を務めた人物であり、夫婦でテニス界に貢献しました。彼女には「シャティー」という愛称で親しまれていました。

パリ五輪で2つの金メダルを獲得した翌年、1901年にウィンブルドン選手権で優勝した後も、彼女の活躍は衰えることはありませんでした。1904年、1908年、1912年にも決勝に進出しており、1908年には、7年ぶり5度目の優勝を果たしました。この時の年齢は37歳282日で、ウィンブルドン選手権の女子シングルスにおける最年長優勝記録として、現在も破られていません。1912年の決勝では42歳でエセル・トムソン・ラーコムに敗れましたが、その活躍は後世に語り継がれています。

クーパーのウィンブルドンでの戦績は、11回の決勝進出で5勝6敗です。1895年から1912年までの17年間にわたり、常にトッププレーヤーとして活躍し続けた彼女の功績は、テニス史に深く刻まれています。

彼女の長寿は、彼女のテニスキャリアと同じくらい注目に値します。1966年に96歳で亡くなるまで、彼女はテニス界の伝説として尊敬され続けました。その功績が認められ、2013年には国際テニス殿堂入りを果たしました。

シャーロット・クーパー・ステリーは、その卓越したテニスの才能、不屈の精神、そして長年にわたる活躍を通して、女子テニス界の発展に多大な貢献を果たした偉大な選手でした。

主な成績

ウィンブルドン選手権　女子シングルス：5勝（1895年、1896年、1898年、1901年、1908年）
準優勝6回（1897年、1899年、1900年、1902年、1904年、1912年）
* 1900年パリ五輪：女子シングルス・混合ダブルス　金メダル（両部門とも史上初）

もう一度検索