シュテファン大聖堂

ウィーンのシンボル、シュテファン大聖堂

オーストリアの首都ウィーンにそびえ立つシュテファン大聖堂は、ウィーン大司教区の司教座聖堂であり、街の象徴的な存在として知られています。ゴシック様式の荘厳な外観と、内部のバロック様式による華麗な装飾は、訪れる人々を魅了してやみません。

歴史と建築

14世紀、オーストリア公ルドルフ4世の命によって建設が始まり、南塔は1359年に完成しました。高さ136.7メートルを誇る南塔は、教会の塔としては世界で3番目の高さであり、その威容はウィーンの街を一望できます。現在見られる外観はゴシック様式ですが、内部の祭壇はバロック様式と異なった様式で造られており、歴史の重みを感じさせます。最古の部分は13世紀後期のロマネスク様式正面入口で、長い歴史の中で増改築を繰り返してきた証となっています。第二次世界大戦では、直接の爆撃は免れましたが、延焼により南塔の大きな鐘「プムメリン」が落下するなど、大きな被害を受けました。戦後、多くの人々の寄付によって再建・修復され、現在に至っています。

音楽の聖地

シュテファン大聖堂は、音楽の歴史においても重要な役割を果たしてきました。聖堂付属のオーケストラと合唱団は、カペルマイスター（楽長）の指揮の下、数々の音楽会を開催し、ウィーンの音楽文化の中心として栄えてきました。特に、モーツァルトが晩年に副楽長を務めたことでも知られ、多くの音楽家にとって特別な場所となっています。歴代の楽長には、ヨハン・ヨーゼフ・フックス、ゲオルク・ロイター、レオポルト・ホフマン、ヨハン・ゲオルク・アルブレヒツベルガーなど、ウィーン古典派時代の著名な音楽家も名を連ねています。

ハプスブルク家とモーツァルト

ハプスブルク家の歴代君主の墓所としても知られるシュテファン大聖堂は、オーストリアの歴史と深く結びついています。さらに、ヴォルフガング・アマデウス・モーツァルトとコンスタンツェ・ウェーバーの結婚式、そしてモーツァルトの葬儀が行われた場所としても有名です。この聖堂は、単なる宗教施設を超え、オーストリアの歴史と文化を象徴する場所となっているのです。

その他の見どころ

聖堂の地下には、1679年のペストで亡くなった約2000体の遺骨が安置されているカタコンベがあります。ペストの犠牲者だけでなく、ウィーンの司教やハプスブルク家の心臓以外の内臓も保管されており、歴史の重みを感じさせる空間です。ガイドツアーに参加することで、カタコンベを見学することができます。また、南塔には343段の螺旋階段があり、頂上からはウィーンの街並みを一望できます。北塔にはエレベーターが設置されているので、体力に自信のない方でも、塔の上からの景色を楽しむことができます。2008年には、サラ・ブライトマンのコンサートも開催され、その模様はNHK-BSで放映されました。

観光情報

開館時間:
月～土曜日: 6:00～22:00
日曜日・祝日: 7:00～22:00
入場料: 無料

北塔エレベーター:
営業時間: 4～10月 8:30～18:00、11～3月 8:30～17:00
料金: 4ユーロ

南塔:
営業時間: 9:00～17:00 (入場は16:30まで)
料金: 3.5ユーロ

シュテファン大聖堂は、歴史、音楽、建築、そして文化が融合した、ウィーンを代表する観光名所です。訪れる際には、これらの見どころを十分に楽しんでください。

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