シュトレーゾウの戦い

シュトレーゾウの戦い：大北方戦争におけるリューゲン島の攻防

シュトレーゾウの戦いは、大北方戦争中の1715年11月16日早朝、リューゲン島プットブス近郊のグロース・シュトレーゾウで発生しました。この戦いは、スウェーデンとプロイセン、デンマーク、ザクセンの連合軍との間で繰り広げられた、ポメラニア戦役における重要な局面でした。歴史的資料では、「シュトレーゾウの小規模な戦い」や「グロース・シュトレーゾウの戦い」とも呼ばれています。

戦いの背景

1711年から1712年にかけて、デンマークとザクセンの軍はシュトラールズント要塞の攻略を試みましたが、リューゲン島を経由したスウェーデンからの補給と増援により失敗に終わりました。当時、スウェーデン海軍はシュトラールズントの入り江とリューゲン島周辺の海域を制圧しており、連合軍にとって大きな障壁となっていました。

1715年初夏、プロイセン、デンマーク、ザクセン、ハノーファーの軍は再びシュトラールズントの攻囲を開始しました。スウェーデン国王カール12世は自ら町と要塞の防衛を指揮しましたが、リューゲン島からの砲撃により攻囲は困難を極めました。そこで連合軍は、まずリューゲン島を占領し、そこからシュトラールズントへ進撃する作戦を立てました。この上陸作戦の成功には、リューゲン島周辺海域の制圧が不可欠でした。

ヤスムント沖の海戦、ペーネミュンデ砦の攻略、グライフスヴァルト湾の海戦を経て、連合軍はスウェーデン軍を徐々に追い詰め、輸送船団を安全にリューゲン島へ接岸させることに成功しました。1715年11月15日、アンハルト＝デッサウ侯レオポルト1世率いるプロイセン、デンマーク、ザクセンの総勢19,500名がグロース・シュトレーゾウ付近の浜辺に上陸しました。一方、スウェーデン軍はカール12世率いる4,500名の守備隊をリューゲン島に配置しており、その構成は騎兵12個中隊と歩兵5個大隊、そして12門の大砲でした。

上陸後、連合軍は上陸地点の周囲に防御陣地を構築し、夜間の警戒を強化するなど、臨戦態勢を整えました。

スウェーデン軍の攻撃

グロース・シュトレーゾウ付近への連合軍の上陸を知ったカール12世は、敵が上陸地点に留まっているうちに迎え撃つため、即座に出撃を決意しました。彼は夜陰に乗じて側近の士官たちと漁船でシュトラールズントを発ち、リューゲン島へ向かいました。連合軍の兵力に関する十分な情報がない中、急遽招集した小規模な戦力のみを率いてシュトレーゾウへ進軍したのです。

11月16日早朝、スウェーデン軍はグロース・シュトレーゾウの浜辺、アルテ・フェーア付近に到着しました。連合軍は既に防御陣地を構築し、スウェーデン軍の攻撃を待ち構えていました。カール12世は到着後、騎兵を率いて直ちに攻撃を仕掛けましたが、連合軍の構築した堡塁に阻まれ、攻撃はすぐに頓挫しました。堡塁からの激しい銃撃により、スウェーデン軍は大きな損害を被りました。カール12世自身も乗馬を射殺され、流れ弾を受けて肩を負傷しました。

激戦の中、デンマーク軍の防衛線が一時的に揺らぐ場面もありましたが、すぐに態勢を立て直し、反撃を開始しました。デンマーク軍は増援を得てスウェーデン軍を撃退することに成功しました。

戦闘開始から15分後、アンハルト＝デッサウ侯レオポルト1世はデーヴィッツ中将にプロイセン軍とザクセン軍の騎兵5個中隊を率いてスウェーデン軍の側面を突くよう命じましたが、この攻撃はスウェーデン騎兵に撃退されました。しかし、時間の経過とともにスウェーデン軍は徐々に押し込まれ、最終的には全軍が退却を余儀なくされました。カール12世自身も胸にマスケット銃の弾を受け、落馬して下敷きになるという危機に見舞われましたが、間一髪で救出されました。

スウェーデン軍は全ての大砲を失い、歩兵は壊滅的な打撃を受けました。将官4名が戦死または致命傷を負い、死傷者は500名から600名に達しました。一方、連合軍側の死傷者は、デンマーク軍が93名、ザクセン軍が36名、プロイセン軍が49名でした。

戦いの影響

シュトレーゾウの戦いにおける敗北により、リューゲン島のスウェーデン軍守備隊は著しく弱体化しました。カール12世はデンマーク士官の軍馬に乗せられ、漁船で脱出しました。敗れたスウェーデン軍の大部分はシュトラールズント要塞へ退却し、リューゲン島は連合軍によってほぼ抵抗を受けることなく占領されました。その後、シュトラールズント要塞はプロイセン軍、デンマーク軍、ザクセン軍によって包囲され、11月末には陥落しました。

この戦いでカール12世は、長年忠誠を誓ってきたデューリンク大佐やクリスティアン・アルブレヒト・フォン・グロートフーゼン騎兵少将といった腹心を失いました。

記念碑

1855年以降、プロイセン柱の一つがこの戦いを記念して建てられています。これらの柱は高さ15メートルを超える記念碑であり、プロイセン国王フリードリヒ・ヴィルヘルム4世の勅命によりノイカンプとグロース・シュトレーゾウに建てられました。安全上の理由から1991年に解体された後、長期間にわたる保管を経て、シュトレーゾウの柱は戦いから300周年の記念の年である2015年11月に修復されました。その際には、ドレスデンの彫刻家スヴェン・シューベルトが制作したフリードリヒ・ヴィルヘルム1世の新しい像が添えられました。

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