シュトレーラの戦い

シュトレーラの戦い (1760年)

シュトレーラの戦いは、七年戦争中の1760年8月20日に、ザクセン選帝侯領のシュトレーラにおいて、プロイセン王国とハプスブルク帝国（オーストリア）の間で発生しました。この戦いは、プロイセン軍が勝利を収めました。

背景

1760年8月、プロイセン王フリードリヒ2世は、オーストリア軍によるプロイセン領への侵入を阻止しようとしました。オーストリア軍の攻勢は、プロイセン軍が占領していたシュレージエンに向けられました。同時に、オーストリア軍の別働隊2万5千が、プロイセンの占領するザクセン選帝侯領東部に進軍し、プロイセン軍は翼包囲される危険にさらされました。

これに対し、フリードリヒ2世は自らシュレージエンのオーストリア軍に対処する一方、ヨハン・ディートリヒ・フォン・ヒュルゼン中将率いる1万2千人をシュトレーラの町に派遣し、エルベ川西岸を確保させました。シュトレーラの戦いの5日前、フリードリヒ2世率いるプロイセン軍は、リーグニッツの戦いでシュレージエンのオーストリア軍を破り、オーストリア軍によるプロイセン軍の翼包囲は失敗に終わりました。

ヒュルゼン率いる軍勢はシュトレーラに到着すると、防御陣地を構築し始めました。オーストリア軍の指揮官フリードリヒ・ミヒャエル・フォン・プファルツ＝ビルケンフェルトは、シュトレーラでの渡河を避け、別の場所で渡河し、ヒュルゼンの軍勢に遭遇するまでエルベ川に平行して進軍しました。

戦闘の経過

プロイセン軍はシュトレーラ近郊の西側にある森の後ろの高地に陣地を構築しました。ビルケンフェルトはオーストリア軍を率いて南から到着し、プロイセン軍の戦線を複数の方向から攻撃するために軍を分散させました。ヒュルゼンはオーストリア軍の行動を察知していましたが、防御戦を戦うことを決断しました。

戦闘は午前5時、オーストリアとプロイセンの砲兵による砲撃戦で始まりました。直後、プロイセン軍の数個大隊がシュトレーラ近くの森を通り抜けて攻撃を開始したため、オーストリア軍は部隊を再配置して対応せざるを得ませんでした。一方、プロイセンとオーストリアの歩兵主力は、シュトレーラの南にある平原で激戦を繰り広げました。2時間の戦闘の後、プロイセン軍は反撃に転じ、オーストリア軍を南に押し戻しました。

プロイセン軍右翼の騎兵はオーストリア騎兵の撃退に成功しましたが、追撃せずに戦列を整え、オーストリア軍の孤立した歩兵大隊に突撃してこれを撃破しました。これを見たプロイセン歩兵も森から前進し、オーストリア歩兵を押し返しました。両翼で敵を押し返したことを確認したビルケンフェルトは撤退を命令し、戦闘は午前7時に終結しました。

戦後

プロイセン軍は、オーストリア軍の再攻撃に備えて午後1時まで戦場に留まりました。オーストリア軍が攻撃してこないことを確認すると、ヒュルゼンはシュトレーラから撤退し、トルガウへ進軍しました。翌日、オーストリア軍が戻ってきてシュトレーラの陣地を占領しました。

フリードリヒ2世は、ヒュルゼンがオーストリア軍を撃退し、その進軍を遅らせた功績を称えました。

この戦いにおけるオーストリア軍の死傷者と捕虜の合計は約1,800人、プロイセン軍の死傷者は約900人でした。

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