シュマディヤ郡

シュマディヤ郡

シュマディヤ郡は、セルビアの中央部に位置する郡です。郡庁所在地は、セルビアで4番目に大きい都市であるクラグイェヴァツ。

郡の名前「シュマディヤ」は、この地域の古くからの名称であり、「森」を意味する「Šuma」という言葉に由来しています。

基礎自治体

シュマディヤ郡は、以下の6つの基礎自治体とクラグイェヴァツ市で構成されています。

バトチナ（Batočina）
アランジェロヴァツ（Aranđelovac）
トポラ（Topola）
ラチャ（Rača）
クニッチ（Knić）
ラポヴォ（Lapovo）

クラグイェヴァツ市は、郡内で唯一の「市（град / grad）」であり、他の5つの自治体は「オプシュティナ（општина / opština）」と呼ばれます。「市」はより強い自治権を持ち、セルビア全土で24存在します。一方、「オプシュティナ」は、日本の町や村に相当します。

クラグイェヴァツ市は、さらに以下の5つの都市区（градцка општина/ gradska opština）に分けられています。

アエロドロム（Aerodrom）：空港を意味する
ピヴァラ（Pivara）
スタノヴォ（Stanovo）
スタリ・グラード（Stari Grad）：旧市街を意味する
ストラガリ（Stragari）

民族構成

2002年の国勢調査によると、シュマディヤ郡の主な民族構成は以下の通りです。

セルビア人：291,005人
ロマ：1,606人

歴史・文化

シュマディヤ郡には、豊かな歴史と文化遺産が残されています。

クラグイェヴァツ近郊には、13世紀に建てられたディヴォスティン生神女福音教会や、1389年のコソボの戦いの頃から現存すると伝えられる聖ニコラ修道院、建造年不明のドラチャ修道院など、多くの中世の修道院があります。これらの修道院は、地域の信仰の中心地として、また文化的な拠点として重要な役割を果たしてきました。

1833年には、サヴァ川およびドナウ川以南で最初のセルビア語学校であるクラグイェヴァツ第一ギムナジウムが設立されました。この学校は、セルビアの教育の発展に大きく貢献しました。

しかし、第二次世界大戦中、この学校は悲劇の象徴となりました。1941年10月21日、ナチス・ドイツはセルビア全土への見せしめとして、7000人もの市民を虐殺しました。犠牲者の中には、300人の児童と18人の教師が含まれており、そのうち15人は8歳から15歳の子供たちでした。シュマリツェの記念公園には、これらの生徒と教師の慰霊碑が建てられています。この事件は、シュマディヤ郡の歴史において忘れてはならない悲劇として、深く刻まれています。

関連項目

セルビアの郡
* シュマディヤ

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