シュライン・オーディトリアム

シュライン・オーディトリアムは、アメリカ合衆国カリフォルニア州ロサンゼルスに位置する、歴史と風格を兼ね備えた劇場です。1906年に著名な建築家G・アルバート・ランズバーグの設計によって建設されましたが、1920年1月に発生した火災により惜しくも全焼してしまいました。その後、1926年に再建され、現在の姿に至っています。

2002年には、1500万ドルという巨額の費用を投じた大規模なリニューアル工事が行われ、舞台、音響、照明システムが最高水準へと刷新されました。これにより、世界的に有名なアーティストのパフォーマンスや、国際的なイベント開催にふさわしい、現代的な劇場へと生まれ変わりました。

劇場は約6300人もの観客を収容可能で、その広大な空間は、これまで数々の重要な授賞式典の舞台となってきました。特に、プライムタイム・エミー賞、アカデミー賞、グラミー賞、アメリカン・ミュージック・アワード、NAACPイメージ・アワード、ソウル・トレイン・ミュージック・アワードなど、名だたるエンターテイメント賞の授賞式が開催された歴史を持ちます。これらの賞は、それぞれ別の会場が完成するまで、シュライン・オーディトリアムで開催されていました。アカデミー賞はコダック・シアター（現ドルビー・シアター）が完成するまで、グラミー賞はステイプルズ・センター（現クリプト・ドットコム・アリーナ）が完成するまで、そしてエミー賞とアメリカン・ミュージック・アウォーズはノキア・シアター（現マイクロソフト・シアター）が完成するまで、当劇場が舞台となっていました。さらに、2006年7月には、ミス・ユニバース世界大会の会場にも選ばれ、世界中の注目を集めました。

また、シュライン・オーディトリアムの名前の由来となった「シュライン」とは、アメリカの慈善団体であり、秘密結社として知られるフリーメイソン内部の組織である「シュライン(英語版)」という団体が、建設のために寄付金を提供したことに由来します。この団体は、地域社会への貢献を重視しており、その一環として、この劇場の建設を支援しました。

シュライン・オーディトリアムに隣接して、シュライン・エキスポセンターがあります。こちらは、主に国際会議、晩餐会、試写会、展示会など、多岐にわたるイベントに対応できる施設です。エキスポセンターと劇場が一体となって、大規模なイベントや展示会、会議などを包括的にサポートできる体制が整っています。

シュライン・オーディトリアムは、その歴史的な価値と現代的な設備、そして数々の授賞式典を開催してきた実績から、ロサンゼルスを代表する劇場の一つとして、広く認知されています。現在も様々なイベントが開催され、地域文化の発展に貢献しています。

もう一度検索