アメリカン・ミュージック・アワード

アメリカン・ミュージック・アワード：音楽界のファン投票で決まる人気賞

アメリカン・ミュージック・アワード（AMA）は、アメリカの音楽業界を代表する権威ある賞の一つです。グラミー賞、ビルボード・ミュージック・アワードと並び称される三大音楽賞の一つに数えられ、世界中の音楽ファンから注目を集めています。他の音楽賞と大きく異なる点は、受賞者をファン投票で決定するという点です。そのため、AMAは音楽の人気をダイレクトに反映する賞と言えるでしょう。

AMA創設の背景：グラミー賞に対抗して

AMAは1973年、ディック・クラークによって創設されました。その背景には、当時ABCで放送されていたグラミー賞の放送局と会場の変更がありました。ABCからCBSへの放送局変更、そしてナッシュビルへの会場移転を受け、クラークはグラミー賞に対抗する新たな音楽賞としてAMAを立ち上げたのです。第1回の授賞式では、ロジャー・ミラー、ヘレン・レディ、スモーキー・ロビンソンが司会を務めました。

AMAとグラミー賞：異なる選考基準と競争

AMAとグラミー賞は、受賞者の選考方法において大きな違いがあります。グラミー賞は業界関係者の投票によって受賞者が決定される一方、AMAはファンの投票によって決定されます。名目上は、グラミー賞が音楽の質、AMAとビルボード・ミュージック・アワードが音楽の人気を重視するという棲み分けが図られていますが、実際には三大音楽賞への出演はアーティストにとって重要な指標であり、激しい競争が繰り広げられています。どの賞にノミネートされるか、そして受賞するかは、アーティストのキャリアに大きな影響を与えます。多くのゴシップ記事や論争がこれらの賞を取り巻いています。

AMAの歴史：数々の逸話と進化

AMAの歴史には、様々なエピソードが残されています。1996年に新設された「最優秀アーティスト賞」は、ガース・ブルックスが受賞を辞退したことで話題となりました。ブルックスは受賞に値する活動をしていないと主張し、賞をそのまま放置して去ったのです。翌年から廃止されたこの賞は、2001年に復活しています。

授賞式の司会進行も変化を遂げてきました。当初は複数の司会者が担当していましたが、近年は単独司会が主流となっています。また、開催時期も当初は1月の半ばから終わりにかけてでしたが、現在は11月の初めに開催されています。これは、ゴールデン・グローブ賞やアカデミー賞など他の大きな授賞式と競合しないようにするためです。

AMA受賞記録：アラバマとホイットニー・ヒューストンの活躍

AMAの歴史において、最も多くの受賞を果たしたアーティストは、グループでは22回の受賞を誇るアラバマ、ソロ歌手では23回のホイットニー・ヒューストンです。また、1年間で最も多くの部門賞を獲得したのは、1983年のマイケル・ジャクソンと1993年のホイットニー・ヒューストンで、どちらも8部門を獲得しています。（ただし、功労賞が含まれています。）

AMAと日本：1991年のコンサートシリーズ

1991年には、横浜アリーナで「American Music Awards Concert Series」が開催されました。ホイットニー・ヒューストン、ケニー・ロジャースなど多くのスターが来日し、日本からはTHE ALFEE|THE_ALFEEが出演しました。このコンサートの模様はWOWOWで放送されました。

まとめ：音楽ファンの声に応えるAMA

AMAは、グラミー賞とは異なる選考方法と、その歴史の中で生まれた様々なエピソードが特徴的な音楽賞です。ファン投票によって決定されるAMAは、音楽の人気をダイレクトに反映する賞であり、これからも音楽界を盛り上げ続けるでしょう。そして、これからも世界中の音楽ファンを魅了し続ける存在であり続けることは間違いありません。

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