シュリニヴァス・クルカルニ

シュリニヴァス・クルカルニについて

シュリニヴァス・クルカルニ（Shrinivas Kulkarni）は、1956年にインドで生まれ、現在はカリフォルニア工科大学で活躍する天文学者です。彼は1978年にインド工科大学デリー校で修士号を取得し、その後1983年にカリフォルニア大学バークレー校で博士号を得ました。1987年からはカリフォルニア工科大学で教授として教鞭をとり、同時に光学天文台の所長も務めています。

来歴

クルカルニはマハラシュトラ州のクルンドワードで生まれ、カルナータカ州のフッバリ市で初等教育から高等教育までを受けました。彼は、指導した64人の若手科学者の成長に寄与し、2009年からはInfosys科学財団の物理部門で審査員長を務めています。

主な発見

彼の研究は非常に多岐にわたりますが、特に星間物質やパルサー、軟ガンマ線リピーター、ガンマ線バースト、褐色矮星などの分野で重要な発見をしています。クルカルニの研究活動は、電波天文学から始まり、カール・ハイルスに師事して銀河系の星間物質を調査しました。1982年には世界初のミリ秒パルサーであるPSR B1937+21を発見し、1986年にはパルサーの伴星である白色矮星を可視光で発見しました。

1993年には、NRAOのデール・フレイルや宇宙科学研究所の村上敏雄らと共同で、軟ガンマ線リピーターSGR 1806-20が中性子星であることを証明しました。この研究は、軟ガンマ線リピーターが強い磁場を持つ中性子星、すなわちマグネターであることを明らかにしました。また、1997年には光学望遠鏡を用いてガンマ線バーストが銀河系の外に存在することを証明しました。

さらに1994年に、赤色矮星グリーゼ229を周回する褐色矮星グリーゼ229Bを発見し、当時の天文学界に衝撃を与えました。この褐色矮星の発見は、温度や質量、光度から疑う余地のないものでした。

2009年以降、クルカルニが率いたパロマー・トランジエント・ファクトリーによって、極超新星や高輝度赤色新星など新たな天体爆発の発見が相次いでおり、これにより天文学の研究がさらに活性化しています。

栄誉・受賞歴

クルカルニは、世界4カ国のアカデミーに所属しており、2001年には英国の王立協会のフェローに選ばれました。また、2003年には米国科学アカデミーの会員、2012年にはインド科学アカデミーの名誉会員に選出され、2016年にはオランダ王立芸術科学アカデミーの外国会員となりました。

彼は、1992年に米国国立科学財団からアラン・T・ウォーターマン賞を受賞し、1991年には米国天文学会からヘレン・B・ワーナー賞、2002年にはジャンスキー賞、さらに2017年にダン・デイヴィッド賞など、多数の賞に輝いています。さらに2024年にはショウ賞の天文学部門を受賞することが決まっています。彼の卓越した業績は、天文学の分野での発展に大きく寄与してきました。

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