パルサー

パルサーについての詳細

概要

パルサーとは、可視光、電波、またはX線のパルス状の放射を行う天体のことを指します。これらの天体は、1967年にジョスリン・ベルによって最初に発見され、彼女の指導教官であったアントニー・ヒューイッシュの協力を得て明らかにされました。パルサーは、超新星爆発の後に残る中性子星として知られ、これまでに約1600個が確認されています。その発信する電波の間隔は数ミリ秒から数秒が一般的ですが、条件によっては5秒以上の間隔を持つものも存在します。

パルサーは、その正確な周期で点灯する様子から、宇宙の灯台と称されることもあります。例えば、NASAのパイオニア探査機に積まれた金属板には、銀河内における地球の位置を示すため、14個のパルサーの位置とその周期が記されています。

発見当初、ベルが観測した電波の規則的なパターンは自然現象とは考え難く、ヒューイッシュはこれは地球外知的生命体による信号の可能性があるとして、「緑の小人」を意味するLGM-1という名称を付けました。後に、このパルサーはCP 1919と命名され、さらにPSR B1919+21と改名されました。ヒューイッシュは、ベルを指導する立場から1974年にノーベル物理学賞を受賞しました。

パルサーの分類

パルサーは、放射エネルギー源によって3つの主なタイプに分類されます。

1. 自転エネルギーによるパルサー: これらは回転のエネルギーを消耗し、そのエネルギーを用いて放射します。
2. X線パルサー: 多くの場合、連星系を構成する天体であり、一方の星からもう一方の星に物質が降着することによって重力エネルギーが解放され、X線を放射します。
3. マグネター: 非常に強力な磁場を持ち、この磁場のエネルギーが放射の源となります。

これらのパルサーは中性子星を中心とした天体ですが、観測される現象やその背後にある物理的プロセスはそれぞれ異なります。例えば、X線パルサーの一部は、かつては自転エネルギーによって駆動されていたものが進化する過程で生じ、再び観測されるようになることが考えられています。

パルサーの命名法

最初期のパルサーの名称は、観測所名を表すアルファベットと、パルサーを示す「P」、赤経の度数・分数を用いた文字列でした。各天文台の頭文字は次の通りです。

• - A = アレシボ天文台
• - C = ケンブリッジ
• - H = ハーヴァード天文台
• - J = ジョドレル・バンク
• - M = モロンゴ天文台
• - N = NRAO
• - O = ウーティ電波望遠鏡
• - P = プシーチノ

その後、PSRの略号を使用し、赤経の後に赤緯の符号付き数字を続ける形式へと変わりました。1993年からは、命名法にJ2000.0を採用し、B1950.0に基づく古い名前とともに、新しい体系に基づく名前が両立することになりました。

主なパルサー

いくつかの有名なパルサーについても触れておきましょう。

• - CP 1919（PSR B1919+21）: 最初に発見された電波パルサーで、周期は1.3373秒、パルス幅は0.04秒です。
• - PSR B1913+16: 最初の連星パルサーで、重力波の存在を示す重要なデータを提供しました。
• - PSR B1937+21: 最初のミリ秒パルサーです。
• - ケンタウルス座X-3: 最初のX線パルサー。
• - PSR B1257+12: 最初の惑星を持つパルサー。
• - SGR 1806-20: 2004年の爆発で銀河系で記録された最大のものです。

結論

パルサーの研究は、宇宙や物理法則の理解を深める上で重要な役割を果たしています。彼らの正確な活動を観測することで、天文学者は中性子星や重力波の存在を探る手助けを行っているのです。これからも新たな発見が期待されます。

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