シュートinサタデー

『モーニングショー・シュートinサタデー』

『モーニングショー・シュートinサタデー』は、1986年10月4日から1987年3月28日までの約半年間、フジテレビ系列で毎週土曜日の午前8時30分から9時55分にかけて生放送されたワイドショー番組です。本番組は、大阪に本社を置く関西テレビが制作を担当しました。当時の土曜朝の顔として、様々な情報や話題を視聴者に提供することを目指して企画されました。

番組内容と特徴

番組の中心は、毎回スタジオに迎えられる多彩なゲストと、メイン司会を務めるサッカー界のレジェンド、釜本邦茂氏との対談でした。釜本氏がゲストの素顔や様々な話題に切り込むトークコーナーが番組の柱となっていました。スポーツ界のスターという異色の司会者が、どのような引き出しでゲストから話を聞き出すのか、注目が集まりました。

また、番組には複数のレギュラー出演者がおり、それぞれの持ち味を活かしてトークや情報コーナーなどを担当しました。当時のフジテレビアナウンサーであった筒井さくら子氏が進行役を務め、タレントの太平サブロー氏、そして当時関西テレビのアナウンサーであった山本浩之氏らが番組を彩りました。

名物コーナー「週間天気予報」

特に多くの視聴者に親しまれたのは、番組のエンディング近くに設けられた「週間天気予報」コーナーです。このコーナーを担当したのは、当時関西ローカルで放送されていた人気報道番組『アタック600』で、その独自のユーモラスな語り口と分かりやすい解説で親しまれていた気象予報士、福井敏雄氏でした。福井氏による天気予報は、単なる気象情報にとどまらず、その人柄溢れる軽妙な語り口で土曜の朝に明るい雰囲気をもたらしました。彼の親しみやすいキャラクターと的確な予報は、多くの視聴者から支持を集めました。福井氏の語る天気情報は、番組の終盤を飾る名物となり、視聴者にとって週末の計画を立てる上で欠かせないものとなりました。この人気コーナーは、番組終了後も後継番組『土曜大好き!830』へと引き継がれ、福井氏は引き続き長きにわたり土曜朝の顔として親しまれることになります。

短命に終わった歴史

しかしながら、『モーニングショー・シュートinサタデー』は、期待とは裏腹に、わずか半年という短期間でその歴史に幕を下ろしました。1986年秋の番組開始から翌年春の改編期までという放送期間は、関西テレビが土曜朝に制作した歴代のワイドショー番組と比較しても、最も短い放送期間であり、その歴史の中でも特筆すべき点となっています。番組内容自体に大きな問題があったというよりは、当時の視聴者の嗜好の変化や、他局の番組との競合など、様々な要因が重なった結果として、残念ながら早期終了という形になったものと推測されます。わずか半年という短命ではありましたが、サッカー界からの著名人をメイン司会に据えたこと、そして何よりも福井敏雄氏による名物天気予報コーナーを生み出した番組として、日本のテレビ番組史の一コマを飾る存在と言えるでしょう。

出演者

釜本邦茂（メイン司会）
筒井さくら子（当時フジテレビアナウンサー）
太平サブロー
山本浩之（当時関西テレビアナウンサー）
* 福井敏雄（週間天気予報担当）

これらの出演者が一体となって、土曜の朝を盛り上げようと努めました。特に釜本氏の司会ぶりは、スポーツ界以外での新たな一面を見せるものとして注目されました。

ネット局

当時のフジテレビ系列各局で放送されていました。

短期間ではありましたが、『モーニングショー・シュートinサタデー』は、特定のコーナーが後世に引き継がれるなど、その後の土曜朝のワイドショーに影響を与えた番組の一つと言えます。わずか半年という放送期間は、テレビ番組の厳しさを物語るものでもありますが、その存在は確かに記録に残っています。

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