ショショーニ郡 (アイダホ州)

ショショーニ郡

アメリカ合衆国アイダホ州の北部地域に位置するショショーニ郡は、1864年2月4日に設立された郡です。その名称は、この地に古くから暮らしていた先住民族であるショショーニ族に敬意を表して名付けられました。2010年の国勢調査によると、郡には12,765人が居住しています。

郡の行政中心である郡庁所在地はウォレスに置かれています。ウォレスの2010年時点の人口は784人でした。一方、郡内で最も多くの人々が暮らす都市はケロッグで、同年の人口は2,120人です。

ショショーニ郡は、その長い鉱業の歴史から「シルバー・バレー」という通称で広く知られています。1世紀以上にわたり鉱山開発が行われてきたこの地域は、国内有数の銀、鉛、亜鉛の産地として名声を確立しました。

地理

アメリカ合衆国国勢調査局の統計によると、ショショーニ郡の総面積は約6,825.9平方キロメートル（2635.50平方マイル）に及びます。この広大な面積のうち、約6,821.6平方キロメートル（2633.9平方マイル）が陸地であり、水域はわずか約4.1平方キロメートル（1.59平方マイル）で、その割合は0.06％にとどまります。

ショショーニ郡は複数の隣接郡と境界を接しています。アイダホ州内では北にボナー郡、西にクートニー郡とベネワ郡、南西にレイタ郡、南にクリアウォーター郡があります。また、東側ではモンタナ州のミネラル郡とサンダーズ郡に隣接しています。

郡域には自然豊かな国立保護地域も含まれています。クリアウォーター国立の森、コー・ダリーン国立の森、そしてセントジョー国立の森がそれぞれ一部を郡内に有しています。主要な交通網としては、地域を東西に結ぶ州間高速道路90号線が縦断しています。

歴史

ショショーニ郡の歴史は、鉱業とそれに関連する労働争議によって色濃く彩られています。1892年には、坑夫たちが賃金削減に抗議するストライキを決行しました。この際、会社側が送り込んだスパイが発見されたことで銃撃戦が発生し、複数の犠牲者が出ました。事態を収拾するため、アメリカ陸軍が投入される事態となりました。

数年後の1899年にも同様の紛争が再燃します。今回は、会社が労働組合に加入した17人の坑夫を解雇したことへの反発として、坑夫たちがバンカーヒル・アンド・サリバンミルという鉱山施設を爆破するという事件が発生しました。この事件でも人命が失われ、再び軍隊が出動して鎮圧にあたりました。

自然災害としては、1910年に発生した大規模な山火事が郡に甚大な被害をもたらしました。この火災により、郡内の多くの場所が焼失し、郡庁所在地であるウォレスの町の一部も犠牲となりました。

政治

政治的な傾向を見ると、ショショーニ郡は歴史的に民主党を支持する傾向が強い地域でした。しかし、近年では連邦レベルの選挙では共和党候補に投票する有権者が増える一方、地元や州の選挙では依然として民主党候補が支持される傾向が見られます。例えば、過去の州知事選挙や連邦上院議員選挙では民主党候補が郡内で票を集めましたが、いずれも惜しくも落選しています。特に、2008年の大統領選挙では、民主党候補のバラク・オバマが郡内で8ポイント差で敗れるなど、政治的な変化が観察されます。

都市と町

ショショーニ郡には複数の都市と町があります。

都市:
ケロッグ
ムーラン
オズバーン
パインハースト
スメルタービル
ウォレス（郡庁所在地）
ワードナー

未編入の町:
アベリー
ビッグクリーク
バーク
カタルド
クラーキア
マーレイ
パインクリーク
キングストン
シルバートン

また、冬のレクリエーション施設として、シルバー山スキー場やルックアウト峠スキー場が利用者に親しまれています。

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