ショットガン・エクスプレス

ショットガン・エクスプレス：伝説への序章

ショットガン・エクスプレスは、1966年5月にロンドンで産声を上げた、短命ながらも強烈な輝きを放ったR&Bバンドです。商業的な成功は収められなかったものの、そのメンバーには、後に音楽界を代表する存在となるロッド・スチュワート、ミック・フリートウッド、ピーター・グリーン、ピーター・バーデンスらが名を連ねていました。

バンドの誕生と初期

ショットガン・エクスプレスのルーツは、ピーター・バーデンス率いるインストゥルメンタル・グループ「Peter B's Looners」にあります。キーボードのバーデンス、ギターのピーター・グリーン、ベースのデイヴ・アンブローズ（後にA&Rマンとしてセックス・ピストルズやデュラン・デュランを発掘）、そしてドラムのミック・フリートウッドという顔ぶれでした。このグループがスタイルを転換し、ボーカリストを迎えることになり、ロッド・スチュワートと、リヴァプールのクラブシーンで人気を博していたベリル・マースデンが加入。ここに、ショットガン・エクスプレスが誕生しました。

ロンドンのクラブを中心に活動を始めた彼らは、ソウル・クラシックの演奏に力を入れていました。しかし、1966年後半にはグリーンがジョン・メイオール&ザ・ブルースブレイカーズに加入するために脱退。その後、ジョン・ムーアズヘッド、フィル・ソーヤーが相次いでギターを担当しました。同年10月には、ファースト・シングル「I Could Feel The Whole World Turn Around」をリリースするも、オーケストレーションが過剰だったこともあり、ヒットには至りませんでした。

短命な活動とメンバーのその後

ショットガン・エクスプレスは、1967年2月にロッド・スチュワートがジェフ・ベック・グループに加入するために脱退した後、1967年初頭に解散。しかし、メンバーたちの音楽への情熱は尽きることなく、それぞれが新たな道を歩み始めます。

フリートウッドはジョン・メイオールのバンドでグリーンと再会し、2人で脱退後にフリートウッド・マックを結成。マースデンはザ・シー・トリニティへ、アンブローズはブライアン・オーガーの元へ、ソーヤーはスペンサー・デイヴィスの元へと進みました。そして、バーデンスは後にプログレッシブ・ロック・バンド、キャメルを結成し、成功を収めました。

ディスコグラフィ

"I Could Feel The Whole World Turn Around" (1966年、Columbia)
"The Shotgun Express" (1966年、Columbia)
* "Funny 'Cos Neither Could I" (1967年、Columbia)

ショットガン・エクスプレスの活動期間は短かったものの、そのメンバーが後に音楽史に名を残すことになったことを考えると、彼らはまさに伝説への序章を飾ったバンドと言えるでしょう。

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