ショートヒルズの戦い

ショートヒルズの戦い

1777年6月26日、アメリカ独立戦争において、ニュージャージー州のスコッチプレインズとエジソンの間で「ショートヒルズの戦い」が発生した。この戦いは、ウィリアム・アレクサンダー准将が指揮する大陸軍とウィリアム・ハウ中将率いるイギリス軍との間で繰り広げられたものである。実際に「ショートヒルズ」と呼ばれる地域ではなく、現在のミルバーン市に含まれる地域で戦闘が行われた。

背景

1776年3月、イギリス軍はワシントン軍がボストン市を防御できる位置にいることを受け、ボストンから撤退した。その後、増強されたイギリス軍はニューヨークを制圧し、ワシントン軍をニュージャージーから追い出した。しかし、1776年末、ワシントンはデラウェア川を渡ってトレントンを急襲し、支配権を取り戻すことに成功した。その後の冬季は小規模な戦闘が続き、特にニュージャージーでは重要な戦略地となった。

ハウは1777年の冬にフィラデルフィアを占領する計画を立て、その目的をワシントンに気取られないように動いていた。ワシントン自身もハウの意図を把握することができず、彼の動向を注意深く見守っていた。そのため、ハウ軍の移動を逆手に取る形で、ワシントンは自軍の防御を固め、ミドルブルックに配置した。

前哨戦

6月初め、ハウはスタテン島からパースアンボイに軍を移動させ、さらにワシントン軍を開けた地形におびき出そうとしていたが、ワシントンはこの挑発に乗らなかった。6月19日、ハウは部隊を後退させ、ワシントン軍もミドルブルックを目指して進軍。この頃、スターリング卿の部隊が前衛として、ニューブランズウィックの北側に陣を張った。

戦闘の経過

6月26日、ハウはスターリング隊に対して二つの部隊による攻撃を開始した。コーンウォリス中将の部隊とボーン少将の部隊がそれぞれの進軍路を取り、スターリングの前衛部隊と衝突する形で戦闘が始まった。大陸軍は先に後退しつつもイギリス軍に発砲し、激しい撃ち合いとなった。スターリングは苦しい防衛を強いられながらも、ウェストフィールドに向かって秩序を保ちながらの後退を試みた。

イギリス軍は熱波の中、執拗な追跡を続けるが、スターリングは数的に不利な状況で頑張り続けた結果、ワシントン軍がより安全な位置へ退く時間を稼ぐことができた。この戦闘は、戦術的にはイギリス軍が勝ったが、戦略的には大陸軍が優位に立っていたと評価される。

損失

戦闘による損失は両軍で異なったが、イギリス軍の損失は戦死5名、負傷30名とされている。大陸軍の損失は不明だが、およそ100名が死傷し、その中で3門の大砲が失われ、また70名が捕虜となった。特に、スターリング隊のオッテンドルフ部隊は84名中32名が戦死または捕虜となり、大きな傷手を負った。ニュージャージー第2連隊の指揮官イズラエル・シュリーブは、その後の戦いで約12名の戦死者と多くの負傷者を出したと記録している。

結論

この戦いは、アメリカ独立戦争全体の中でも重要な局面であり、戦術的な教訓と共に、戦争の進行を左右する影響を与えた。ワシントンはこの戦いを通じて、自らの軍の防御能力と戦略的重要性を再確認し、以後の戦いに生かしていくこととなる。

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