シラキュース (ニューヨーク州)

シラキュース

シラキュース（Syracuse）は、アメリカ合衆国のニューヨーク州中央部に位置する商業と工業の都市で、人口は2020年のデータで14万8620人を数えています。また都市圏の人口は約66万人に達しています。市名はイタリアのシチリア島にある約2385km離れた都市シラクサに由来しています。オノンダガ郡の郡庁所在地でもあり、経済や教育の中心地としても知られています。

シラキュースは特にシラキュース大学が有名です。この私立大学のフットボールやバスケットボールの試合は盛況で、地域住民が会場に集まり熱心に応援します。2003年には男子バスケットボールチームが全米での優勝を果たした実績があります。この都市は「シラキューズ」「シラキュース」「サイラキューズ」「セラキュース」といったさまざまな発音がされており、特に「シラキュース」と「セラキュース」が一般的です。

歴史

シラキュースの歴史は1654年に塩泉が発見されたことに始まります。その後、製塩業が盛んになり、1814年には村としての地位を得ました。1825年にはエリー運河が完成し、五大湖の交通の要所として発展しました。1848年に周辺のサリナと合併し、正式に市となりました。1870年にはシラキュース大学が設立され、学術の場としても名を馳せました。

20世紀初頭には産業が大きく発展し、シラキュースはニューヨーク州中部の商工業の中心として認知されました。第二次世界大戦中は重工業、特に特殊鋼が重要な役割を果たしましたが、1950年の221,000人という人口のピーク以降は減少が続いています。郊外への移転や産業の衰退が主な原因とされ、1970年代には製造業が衰退し失業率が増加しました。しかし都市圏全体ではわずかに人口が増加し、1980年代以降はアフリカや中米からの移民が増え、特にラテン系住民やボスニア、スーダン、ソマリアなど出身の難民が新たに居住を始めています。

地理

シラキュースは北緯43度2分49秒、西経76度8分40秒の位置にあります。アメリカ合衆国の統計によると、市の総面積は66.4 km²であり、そのうち65.0 km²が陸地、1.4 km²が水域です。水域の割合は約2.15%で、オノンダガ湖が含まれています。

気候

シラキュースは寒冷な気候で、特に冬の降雪は非常に多いことが知られています。オンタリオ湖の影響により、豪雪都市としても名を馳せており、年間降雪量は325.1 cmに及びます。時折、積雪は100 cmを超えることもあります。

交通

シラキュースの交通インフラとしては、シラキュース・ハンコック国際空港があり、アムトラックのシラキュース駅も重要な拠点です。シラキュース駅にはシカゴとニューヨーク・ボストン間の夜行列車「レイクショア・リミテッド」や、トロントとニューヨーク間の国際列車「メープルリーフ号」などが停車します。また、州間高速道路81号線や90号線、481号線を利用することで広範な交通アクセスが可能です。

文化・産業

シラキュースの主要な雇用主はシラキュース大学、ニューヨーク州立大学付属病院、ナショナル・グリッドなどで、地元経済の要をなしています。また、スポーツも盛んで、シラキュース大学のアスリートたちが地方の誇りをもって戦っています。名物料理にはダイナソー・バーベキューがあり、全米で人気を集めているバーベキューソースのブランドです。

加えて、エバーソン美術館が地域の芸術文化を支え、カルーセル・センターなどのショッピング施設が賑わいを見せています。シラキュースは、全体的に多くの文化が融合し、活発な経済活動が行われている都市であります。

もう一度検索