シリル・ノウルズ

シリル・バリー・ノウルズ：不屈の精神でクラブを導いた名サイドバック

シリル・バリー・ノウルズ（Cyril Barry Knowles, 1944年7月13日 - 1991年8月30日）は、イングランド・ウェスト・ヨークシャー出身の元サッカー選手、そして指導者です。主に左サイドバックとして活躍し、その攻撃的なプレースタイルと献身的な姿勢で多くのファンを魅了しました。

トッテナムでの輝かしいキャリア

1964年、ノウルズはミドルズブラFCからトッテナム・ホットスパーFCへ移籍。当時の移籍金は4万5000ポンドでした。ロン・ヘンリーの後釜として期待されたノウルズは、右サイドバックのジョー・キニアーと共に、攻撃的なサイドバックとしてその才能を開花させます。正確なクロスで数々のチャンスを演出し、チームの攻撃を活性化。FAカップ、リーグカップ、UEFAカップなど、数々の主要タイトル獲得に大きく貢献しました。

507試合というトッテナム歴代4位の出場記録が、彼のチームへの貢献度を物語っています。イングランド代表としても、UEFA欧州選手権1968の代表メンバーに選出されるなど、その実力は高く評価されていました。

しかし、1976年、ノウルズは膝の怪我により、31歳という若さで惜しまれつつ現役を引退しました。

指導者としての挑戦

引退後、ノウルズは指導者としてのキャリアをスタートさせます。ドンカスター・ローヴァーズFCのコーチ、古巣ミドルズブラFCのアシスタントコーチを経て、1983年には4部リーグに所属していたダーリントンFCの監督に就任しました。すると、1984-85シーズンにはクラブを3部昇格に導き、その手腕を発揮します。

その後、トーキー・ユナイテッドFC、ハートリプール・ユナイテッドFCの監督を歴任。どのクラブでも、低迷していたチームを立て直し、上位進出や昇格に導くなど、その指導力は高く評価されました。特に、ハートリプール・ユナイテッドFCでは、5部降格の危機にあったチームを立て直し、4部残留、そして3部昇格に貢献。クラブのサポーターから絶大な支持を得ました。

しかし、1991年2月、ノウルズは脳腫瘍を発症。闘病生活を送り、1990-91シーズン終了後に監督を退任。同年8月30日、47歳という若さでこの世を去りました。

記憶に残るレジェンド

ノウルズの死後、ハートリプール・ユナイテッドFCは、ホームスタジアムの新しい客席スタンドを「シリル・ノウルズ・スタンド」と命名。彼の功績を讃え、その名前を永遠に刻みました。

また、「ナイス・ワン・シリル」という楽曲が、トッテナムのファンによってノウルズを讃えるチャントとして歌われ、1972-73シーズンのリーグカップ決勝前には、イギリスのオリコンチャートで14位にランクイン。現在でも、トッテナムの選手を応援するチャントとして歌い継がれています。

シリル・バリー・ノウルズは、選手として、指導者として、常にチームのために全力を尽くしました。その情熱と献身は、多くの人々の記憶に残り、語り継がれています。

タイトル

トッテナム
FAカップ: 1966-67
FAチャリティ・シールド: 1967
リーグカップ: 1970-71, 1972-73
UEFAカップ: 1971-72
* アングロ＝イタリアン・リーグカップ: 1971

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