FAカップ

FAカップについて

FAカップ（The FA Cup）は、1871年に創設されたイングランドのサッカーにおける重要なカップ戦です。この大会は世界でも最も長い歴史を持つサッカー大会として知られており、「FA」は「The Football Association」の略です。名の通り、サッカーの歴史の中で非常に重要な役割を果たしてきました。

概要

FAカップは、イングランドに登録されている全てのクラブが参加することができるオープンな大会です。プロクラブからアマチュアクラブまで関係なく、幅広いチームがこのカップ戦にエントリーします。試合はホーム・アンド・アウェー方式ではなく、一発勝負で行われるため、時に驚くような結果が生まれます。このような「ジャイアント・キリング」と呼ばれる波乱の展開は、FAカップの魅力のひとつです。特に観客にとっては、上位チームが下位チームに敗れるシーンは見逃せない瞬間となっています。

2019-20シーズンまでは、試合が引き分けの場合は延長戦ではなく再試合（リプレイ）が行われていました。しかし、現在では引き分けの際に延長戦とPK戦が行われています。この変更は、試合の決着をよりスムーズに行うためのものです。また、2020-21シーズンからは新型コロナウイルスの影響で再試合制が廃止され、各試合が一回で決着するようになりました。

試合の開催地

準決勝以降の試合は中立の場で行われることが決まっており、多くの場合ロンドンのウェンブリー・スタジアムがその舞台となります。準決勝は2008年以降、このウェンブリーで開催されるようになり、決勝戦も同様にこの地で行われるようになりました。ウェンブリーは2001年から2006年まで改修工事のため使用できなかった期間があり、その際はカーディフにあるミレニアム・スタジアムが利用されました。

試合が90分で決着がつかなかった場合は、延長戦やPK戦が行われ、勝敗が決まります。決勝戦はプレミアリーグが終了した最初の土曜日に開催されることが一般的ですが、2010-11シーズンには特別な事情があり、別の日に行われました。これはUEFAの規定によるもので、ウェンブリーがチャンピオンズリーグの決勝を控えて使用できなくなるためです。

FAカップの観戦と表彰

FAカップの決勝戦では、イギリス王族であるFA総裁が観戦することが伝統になっています。試合に先立って行われるセレモニーでは、出場選手と審判が整列する際に、監督も一緒に入場することが特徴的です。試合が終了した後には、FA総裁が優勝球団と準優勝球団の選手たちにそれぞれメダルを授与し、優勝チームのキャプテンにFAカップ自体を手渡します。

優勝クラブには、次シーズンのUEFAヨーロッパリーグ（UEL）への出場権が付与されます。さらに、そのチームがすでにUEFAチャンピオンズリーグ（UCL）の権利を保持している場合、UELの権利はプレミアリーグでUCLまたはUELの権利を得ることができなかった上位クラブに譲渡されます。

スポンサーとマッチボール

FAカップの公式マッチボールは、2013年以降ナイキが提供していましたが、2018-2019シーズンからはミトレ（Mitre）が供給する形に変わりました。これにより、FAカップの試合が新しいスタイルで進行することが期待されています。

FAカップは、長い歴史の中で数々のドラマを生み出しており、サッカーファンにとって特別な意味を持つ大会です。毎年、熱戦が繰り広げられ、多くのクラブにとっては名誉をかけた戦いであることから、その魅力は尽きることがありません。

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