シリーズ (作品)

シリーズの概念

シリーズ（series）とは、特定の共通点を持ち、作品が連なった一群を指します。通常、シリーズには共通する題名の語句や設定、登場人物といった要素があります。この共通性は、ファンや視聴者にとって親しみやすさを生じさせ、作品に対する興味を深める要因となります。ただし、共通点が希薄である場合には、シリーズと認識されないこともあるため、共通要素がどの程度かがシリーズとしての判断基準となることがあります。

一般に、シリーズの開始時には必ずしもその後の作品が続くことが決まっているわけではなく、初作がヒットした後にシリーズ化されることが多いです。また、シリーズの終了時期や作品数も、事前には決まっていないのが一般的です。

国による語法の違い

映画や書籍における「シリーズ」という用語は、英語でも用いられますが、テレビ番組に関しては日本語特有の使われ方が存在します。北米やオーストラリアでは「シリーズ」という言葉が定期的に放送されるテレビ番組の一つを示し、イギリスではシーズン（年間放送分）を意味します。

日本語での「シリーズ」に近い言葉としては、フランチャイズ（franchise）があります。これは、特定のキャラクターや世界観の使用権を指し、作者や製作会社が同じでも、作品が異なる場合に用いられます。この用語は多面的な意味を持ち、日本のメディアミックスとも関連しています。また、メタシリーズ（metaseries）は、特に日本のアニメにおいて、メディアミックスやパラレルワールドといった大規模なシリーズを指します。

シリーズの基本的な特徴

作者

シリーズの作品群は通常、同じ作者によって制作されることが多いですが、場合によっては他の作者が引き継ぐこともあります。この際、前作の作者の承認を得た上で、その名義がクレジットされる場合もあります。一方で、映画やテレビドラマのように多くのスタッフが関わる作品では、著作権が制作会社にあるため、必ずしも主要なスタッフが同じである必要はありません。しかし、制作が同一の会社で行われる場合、部分的にでも共通性が持たれることが多いです。

設定・世界・宇宙

シリーズは、同じ世界観を持つ作品同士が連なるケースが一般的です。ただし、シリーズの初期段階で世界観を設定していた作品が、その後に異なる世界観に移行することもあります。また、作品によってはシリーズ内で世界観を共有したり、関連性を持たないこともあります。特に一見関係がないように見えても、続編で過去や未来が繋がっていることが明らかになることもあります。

同一の世界観の場合

シリーズ初期には連作を見越していなかったために、続編に都合の悪い設定が後から修正されることもあります。また、他のメディアに翻案する際に設定が変更されることもあり、これが前作の作品と異なる続編を生むことがあります。

登場人物・役者

多くのケースで主要な登場人物は同じであり、実写やアニメにおいては同じ俳優や声優が出演することが一般的です。しかし、役者の都合や健康問題により、登場人物が代替されることも少なくありません。作中の時間経過と現実の経過が異なる場合、役者の年齢の問題が生じることもあり、その際には特殊メイクやキャスティングに工夫が必要です。また、前作のキャラクターを引き継ぐ新たな登場人物が出る場合もあります。

異なる世界観

特に人気が高い作品に関して、パラレルワールドを舞台とする一連の作品がシリーズとして扱われることもあります。この場合、作品の登場人物に共通点が見られることがあります。

シリーズのメディア形態

シリーズの作品が異なるメディアで展開されることもあります。これは通常、外伝やスピンオフとして現れますが、時には正編と続編が関連し合うことで、シリーズとしてみなされることがあります。

シリーズの分類

シリーズの作品は、その作品数によって呼称が異なります。例えば、二部作（デュオロジー）、三部作（トリロジー）、四部作（テトラロジー）など、続く部数によって名称が変わります。また、単独の作品でも、各編のストーリーやキャラクターの大きな違いにより、シリーズと見なされることがあります。代表的な例には『ジョジョの奇妙な冒険』や『ポケットモンスターSPECIAL』が挙げられます。

まとめ

以上のように、シリーズとは共通の要素を持つ作品群であり、時には多様な形態や展開を持っています。ファンにとって、シリーズはその作品群を通じてより深く楽しむことを可能にし、作品に対する愛着を育む大きな要因となっています。

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