シルバージャガー

『シルバージャガー』は、1979年から1980年にかけてピー・プロダクションが制作した、日仏合作の特撮等身大ヒーロー番組のパイロットフィルム作品です。フランスでのテレビシリーズ放映が決定していたものの、様々な事情により実現には至りませんでした。

企画の経緯

1980年10月からフランスでのテレビシリーズ放映が決定し、日本でも同年内に放送局が決定する予定でしたが、フランス側の要望によりプロットが再編され、『ニューシルバージャガー』、さらに『スペース・ジャガー』へと改題されました。1982年12月には、ピー・プロの社長であるうしおそうじ（鷺巣富雄）が渡仏し交渉を行いましたが、製作には至らず企画は自然消滅という形で幕を閉じました。

作品の特徴

設定や描写には、映画『スター・ウォーズ』からの影響が見られます。造形美術は高山良策が担当し、彼にとって最後の作品となりました。音楽は、うしおそうじの実子である鷺巣詩郎が担当しています。また、プロデューサーの篠原茂は、監督の花田良知から無名時代の坂本龍一を紹介されていましたが、起用には至りませんでした。
ロケは駒沢オリンピック公園で行われました。ここは『マグマ大使』や『スペクトルマン』など、他のピー・プロ作品でも度々使用された場所です。

ストーリー

物語の舞台は、豹の惑星Fu（ヒュー）。この星は「白豹族」「銀豹族」「黄豹族」の3種に分かれていましたが、Ju（ジュウ）星人の司令長官・兇将マンドラー率いる軍団の侵略により爆発してしまいます。Fu星消滅寸前に、銀豹族の勇者・シルバージャガーは愛用機コスミック号で王女ラブと共に脱出。放浪の末、行方不明となった王女の手がかりを求めて地球にたどり着きます。そこで超能力者の地球人、星未知子と知堂勇の協力を得て、地球侵略を企む兇将マンドラーと戦うことを誓うのです。「シルバージャガー」は個人名ではなく、「銀豹族」から選ばれた戦士に与えられる称号です。

キャスト

シルバージャガー：中沢清三
王女ラブ：滝沢麗子
星未知子：佐藤知多子
知堂勇：鈴木敏基
兇将マンドラー：浦上嘉久
∞マン：野武士の会
ナレーション：清川元夢

スタッフ

製作：鷺巣富雄、篠原茂
原作：滝川音彦
監督：花田良知
音楽：鷺巣詩郎
造型：高山良策

その後

1984年には、関連インタビューや資料映像などを追加したVHSビデオソフト『シルバージャガーの誕生』が発売されました。ピー・プロは本作以降、2006年の『ライオン丸G』まで映像制作を休止しています。2013年には、日本映画専門チャンネルで放送されました。

関連情報

1984年 VHSビデオソフト『シルバージャガーの誕生』発売
2013年 日本映画専門チャンネル『特撮国宝』で放送

『シルバージャガー』は、その幻の存在ゆえに、特撮ファンにとっては特別な作品と言えるでしょう。

もう一度検索