ピー・プロダクション

株式会社ピー・プロダクションの概要

株式会社ピー・プロダクション、一般には「ピープロ」または「Pプロ」と呼ばれるこの企業は、日本のテレビアニメや特撮作品の制作を専門とする会社です。1960年に漫画家のうしおそうじ（鷺巣富雄）によって設立され、特に1960年代から1970年代にかけて、フジテレビで多くのアニメや特撮番組を制作しました。当初は動画制作を目的とした企業でしたが、鷺巣の豊富な映画および漫画の人脈を生かし、幅広い映像作品を手掛けるようになりました。

ピープロは、アニメーションだけではなく、実写の特撮作品も同等に制作する珍しい存在で、そのスタイルは今日まで多くのファンに愛されています。特撮作品においては、東映や円谷プロなどの他の制作会社とは異なる独特のテイストが感じられ、カルト的人気を誇ります。

設立の背景

1960年、中小企業の形態からスタートしたピー・プロは、動画合成機材を駆使し、短編映画やドキュメンタリー制作から始まりました。その後、特撮映画やアニメーションの制作へと発展していきます。創業当初からピープロを支えてきたのは、彫刻家やアニメーションの専門家たちで、彼らの技術と情熱が会社を支えました。特に、アニメの合成作画における政岡憲三などが顧問に就任し、独特のスタイルが確立されていきました。

代表作品とその影響

「0戦はやと」の制作により、自社制作のアニメ事業がスタート。その後、1964年には虫プロダクションの『鉄腕アトム』の制作一部に関与し、これが大きな契機となりました。さらには、1966年に制作した『マグマ大使』は日本初の連続カラー特撮番組として特撮ブームの牽引役となります。この作品の成功を境に、ピープロは特撮作品とアニメーションの双方向での制作を進め、幅広い視聴者層に向けた作品展開を行いました。

1971年には『宇宙猿人ゴリ』が放送され、変身ブームの立役者となりました。特に1972年に制作された『快傑ライオン丸』は、チャンバラブームを引き起こし、多くの子供たちに愛される存在となりました。

社名の由来

「ピープロ」という名称は、創立者のうしお自身や山本常一のセンスが反映されています。サブタイトルの「P」は、映画関連の英単語に多く見られる頭文字であることに由来するとされますが、会社の経済状況をもじって「貧乏でいつもピーピーしているから」というユーモラスな意見も存在します。

現在の運営状況

会社は現在、息子の鷺巣詩郎が社長を引継ぎ、作品管理をスタジオカラーが行っています。近年もリメイク版や劇場用映画としての作品を発表する等、新たな挑戦を続けています。

作品の再評価とビデオショップ

1983年から1989年まで、「ビデオショップ ピープロ」を開店し、自社作品の販売や上映会を通じて、ファンとのつながりを強化しました。このショップはピープロの作品を再評価する場ともなり、多くのファンに支持されました。

今日のピープロ

ピー・プロダクションはその独自のスタイルと伝統を守りながら、今後も新しい作品や取り組みを続けていくことでしょう。アニメや特殊映像の領域での彼らの貢献は、日本の映像文化の一部として今後も語り継がれることでしょう。

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