シロカグラ

シロカグラ (Hexanchus nakamurai) についての詳細

シロカグラ、英名でBigeyed sixgill sharkは、カグラザメ目カグラザメ科に属するサメで、特徴的な形態と生態を持っています。全長は約1.8メートルに達し、細身の紡錘型の体型をしています。色彩は背中が灰色から褐色、腹部は白色で、吻先は尖っています。目は大きく緑色の光を反射します。6対の鰓裂を持ち、特に第一鰓裂が最も大きいのが特徴です。

分布と生息域

シロカグラは主に温暖な海域に分布しており、太平洋やインド洋がその範囲です。ただし、その分布は限られているため詳細がよく分かっていません。日本の中部から南部にかけて観察されており、大陸斜面に沿って水深600メートルまで生息しています。通常は海底近くで活動しますが、時には海面まで上がってくることもあります。

かつては世界中に広く分布していると考えられていましたが、2018年の研究において、大西洋に生息するシロカグラが実際には別種（H.vitulus）であることが確認されました。この発見は、遺伝子調査によるもので、シロカグラの分布域を再考させるものでした。

形態的特徴

シロカグラの体は流線型で、各種サメとの違いを識別するための特徴があります。胸鰭の後縁は凹んでおり、尾柄は長く、臀鰭基底の長さは体長の少なくとも1.5倍です。背鰭は尾鰭から十分な距離を保ち、尾の上葉は長く、切れ込みがあります。歯は特に鋭く、上顎の歯は鉤状で、下顎の歯は6つの尖頭を持ちます。

同属のカグラザメとの見分け方は、下顎の櫛状歯が並ぶ数が異なる点も重要です。シロカグラは両側に6個の歯を持っていますが、カグラザメでは5個です。

生態

シロカグラの生態については詳細が不足しており、特にその生活習慣や繁殖行動については不明な点が多いのが現状です。食性は小型から中型の硬骨魚類、特に甲殻類を捕食すると考えられています。繁殖は胎生であり、1回に産む子どもの数は13尾から26尾程度。新たに産まれる子どもは全長40から45センチメートルを持ち、成熟するためにはある程度の大きさに成長する必要があります。雄は全長142から178センチメートル、雌は123から157センチメートルに達することが必要です。

人との関わり

シロカグラは漁業活動での混獲が報告されていますが、実際には漁業の対象にはなっていません。特に延縄やトロールによって稀に捕獲されますが、一般的には直接的な経済的価値はありません。

シロカグラはその独特な形態と生態から、近年の調査対象となっており、今後の研究が期待されています。

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