シンガポール赤十字社とは？意味をやさしく解説

シンガポール赤十字社（Singapore Red Cross Society、略称SRC）は、シンガポールにおける赤十字団体であり、国際赤十字運動の一員として、人道的な支援活動を幅広く展開しています。

SRCの活動目標は、「人間の苦痛を軽減し、緊急事態において人命と尊厳を守る」ことです。この目標を達成するため、災害対策能力の強化、地域ニーズに対応した既存サービスの質の向上、国際活動への積極的な貢献、職員・ボランティアの育成に重点を置いています。

1949年、SRCは英国赤十字社の支部として設立されました。1965年のシンガポール独立に伴い、シンガポール赤十字社として独立し、1973年に法的に承認されました。

SRCは、災害や緊急事態発生時には、救急法や救急車支援サービスにおいて専門知識を持つ職員やボランティアを派遣し、政府機関の活動を補完する役割を担います。

SRCの訓練センターでは、一般市民や各種団体を対象に、基礎および上級レベルの救急法講習を実施しています。また、保健省から全国救急協議会の事務局に任命されており、救急法の普及促進に努めています。2020年までに、全世帯の少なくとも1人が救急法を習得することを目標としています。

SRCは、シンガポールの血液事業において、献血者の募集と確保、献血の重要性の啓発を担っています。この活動は、シンガポール輸血サービスとの連携により行われています。

SRCは、重度身体障害者向けの施設「赤十字の家」を運営しており、入居者の生活支援や経済的自立をサポートしています。ここでは、住居や交通手段の提供、日常生活の介助など、幅広い支援を行っています。

SRCでは、9歳から16歳までの約6,000人の青少年が、国際交流、救急法、福祉事業、募金活動などの様々な活動に参加しています。青少年赤十字は、次世代を担う若者たちの育成に重要な役割を果たしています。

SRCは、規模は小さいながらも国際活動に積極的に取り組んでおり、国際赤十字・赤新月社連盟の一員として重要な役割を果たしています。また、東アジア地域における各国の赤十字社との二国間支援事業も展開しています。限られた財源と能力の中で、国際的な人道支援活動に貢献しています。

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