英国赤十字社

英国赤十字社：人道支援を担うイギリスの慈善団体

英国赤十字社は、イギリス国内外で人道支援活動を行う、国際赤十字・赤新月社連盟に加盟する主要な慈善団体です。1870年の設立以来、英国王室からの勅許を受け、1908年には国王エドワード7世より、1998年には女王エリザベス2世より勅許が与えられています。国際赤十字・赤新月社連盟加盟は1923年で、世界で9番目に承認された団体です。

活動理念と目標

英国赤十字社の活動理念は「危機における希望のしるし」です。活動目標は「世界のどこであろうともっとも必要としている人々に対し緊急援助を提供する模範的なボランティア団体であること」と明確に掲げられています。この理念と目標に基づき、国内外で多岐にわたる活動を行っています。

組織概要

英国赤十字社は、ロンドンに本部を置き、全国に広がる組織です。約2,600人の職員と44,000人のボランティアによって支えられています。職員の約4分の3は女性であり、ボランティアには約2500人の賛助会員も含まれます。賛助会員は積極的な活動には参加しませんが、英国赤十字社を支援し、継続的な関わりを持つことを望む人々です。

組織運営は、8つの地域から選出された理事と有識者7名、計15名で構成される理事会が責任を持ちます。理事会は年6回以上開催され、執行部は2週間ごとに会合を開き、密接な連携のもと運営されています。1,050か所の不動産と700台の車両を保有し、広範囲にわたる活動基盤を築いています。

国内活動

国内活動は大きく分けて、人道的価値の普及促進と緊急災害救護・対策の2つです。

緊急救護と対策: 英国赤十字社は、イギリス国内における救急搬送の一端を担い、地域や全国レベルの緊急計画調整に積極的に関与しています。
救急法講習: 救急法の普及啓発に力を入れ、一般市民への講習会開催や、政府への政策提言を通じて、救急法に関する国民の能力向上に貢献しています。
安否調査と赤十字通信: 災害発生時には、離散した家族や関係者の安否確認や連絡を支援する活動を行います。

国際活動

国際活動では、アフリカ、インド、中東、中央・東ヨーロッパ、NIS諸国への支援を重点的に行っています。バングラデシュ、エチオピア、モザンビーク、ナイジェリア、ロシア、シエラレオネ、トルクメニスタン、ウガンダなど、多くの国々の赤十字社または赤新月社と連携し、開発協力事業にも取り組んでいます。活動分野は、活動戦略作成、公衆衛生、災害対策、人道政策立案、組織能力強化、他団体との協力関係構築など多岐に渡ります。

法的基盤

英国赤十字社は、慈善団体として統一された組織です。1997年には定款が改定され、女王エリザベス2世から新たな勅許が与えられ、組織再編が行われました。理事会および支部、地区・分区評議委員会の選挙は毎年実施され、透明性のある運営体制を維持しています。

参考文献

英国赤十字社公式ウェブサイト

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