シンスプリント

シンスプリント（脛骨過労性骨膜炎）について

シンスプリントは、下腿内側の脛骨下1/3に発生する痛みを指します。骨折のような激痛ではなく、鈍痛が特徴で、脛骨過労性骨膜炎とも呼ばれます。

症状

初期段階では、運動時に脛に軽い不快感や鈍痛が生じます。痛みが散発的なため、見過ごされることが多いです。痛みは骨の奥に感じるものの、実際には骨を覆う骨膜の炎症が原因です。

シンスプリントは、運動初心者だけでなく、練習量の増加によって誰にでも起こりうる症状です。

原因

シンスプリントの主な原因は以下の通りです。

不適切なランニングフォーム: 体に負担のかかるフォームは、脛に過剰なストレスを与えます。
足に合わないシューズ: クッション性の低いシューズや、足の形に合わないシューズは、衝撃を吸収しきれず、脛に負担をかけます。
硬い路面でのトレーニング: コンクリートなどの硬い路面での走り込みは、足への衝撃が大きくなります。
筋肉の酷使: 運動量の急激な増加や、過度なトレーニングは、筋肉に疲労を蓄積させます。
筋力不足、柔軟性不足: 下腿部の筋肉の筋力不足や柔軟性不足は、衝撃を吸収しきれず、骨に負担をかけます。
足部の問題: 扁平足や回内足は、足のアライメントを崩し、脛に負担をかけます。

経過

初期には、脛骨に沿ってうずくような鈍痛が現れます。疲労骨折のように痛みが一点に集中するのではなく、筋肉が骨に付着するラインに沿って痛みが生じます。

運動開始時に最も痛みを感じやすく、運動を続けるうちに筋肉がほぐれて一時的に痛みが軽減することがあります。しかし、症状が進行すると、痛みは運動中も持続するようになり、最終的には日常生活にも支障をきたすようになります。

治療

シンスプリントの治療の基本は、安静です。痛みが引くまで、運動を休止することが重要です。休養中は、筋力トレーニングを行うことが推奨されます。ただし、長期間の休養後にコンディションが十分に回復していない状態で練習を再開すると、痛みが再発する可能性があります。

やむを得ず運動を続ける場合

運動後には、患部のアイシングとストレッチを丁寧に行いましょう。15分程度のアイシングや、10分程度のアイスマッサージが効果的です。また、走り方の改善も有効な場合があります。

症状が軽くなったと感じても、すぐに運動を再開すると再発する可能性があります。

日常的なケア

下腿部の筋肉のストレッチを行い、柔軟性を高める。
土踏まずが低下している場合は、テーピングでサポートする。

アイシングが効果的な場合もあれば、逆効果になる場合もあり、治療法は個人によって異なります。

予防

シンスプリントを予防するためには、以下の点に注意しましょう。

適切なランニングフォームを身につける。
足に合ったシューズを選ぶ。
硬い路面でのトレーニングを避ける。
ウォーミングアップとクールダウンをしっかり行う。
下腿部の筋肉のストレッチと筋力トレーニングを行う。
運動量を徐々に増やす。

参考文献

シンスプリント - 日本整形外科スポーツ医学会
シンスプリント - MSDマニュアル

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