シンドゥゴーシュ級潜水艦

シンドゥゴーシュ級潜水艦

シンドゥゴーシュ級潜水艦は、インド海軍によって運用されている通常動力型の潜水艦であり、その設計はソ連/ロシア海軍のキロ型潜水艦に基づいています。この艦級は、インド向けに改良を施したモデルで、正式にはProject 877EKMとして知られています。建造は主にソ連またはロシアで行われ、全体として高い沈黙性と運用能力を持つことを目指しています。

設計

船体と動力

シンドゥゴーシュ級の船体は涙滴型で、完全な複殻構造となっています。これは6つの水密区画から成り立っており、たとえ1つの区画が浸水しても他の区画が機能を維持できる設計です。この潜水艦は優れた静粛性を確保するために、機関がラフトを介して船体に取り付けられている点が特徴的です。さらに、船体やセイルの表面は特殊なゴム製の吸音タイルで覆われており、ソナーの反響を抑える効果があります。これにより、敵探知からの生存性が向上しています。また、艦体を覆うタイルは、熱帯の環境においても優れた耐久性を保持します。

センサー

MGK-400EMソナーは、その基本的な寸法を維持しつつ、通常動力潜水艦向けに最適化されています。高度な受信機能を備えており、データ処理速度が向上した現代的なコンピュータと多機能表示から構成されています。このシステムは、雑音や妨害の状態を測定し、主なソナーモードによる操作範囲の予測を行う新たな機能を搭載しています。これにより、作戦能力が大幅に向上しました。

戦闘システム

この艦級はMVU-110EM Murenaという戦術情報処理装置を搭載し、同時に3つの異なる目標を探知し、2つに対して攻撃を行う能力を備えています。しかし、発射できるのは有線誘導魚雷用の魚雷発射管が2基のみであるため、システムによる攻撃能力の強化が求められています。

改装状況

シンドゥゴーシュ級の10番艦「シンドゥシャストラ」を除く艦は、順次ロシアに派遣されて改装が行われています。1991年からの運用開始から2009年までに、9隻のうち6隻が改装を終えており、艦の能力向上が図られています。改装の主な目的は、3M-54 Klubミサイルの運用能力を追加し、3P-14PE火器管制システムを機能させることです。改装後、艦は最大10発のミサイルを搭載できるようになっています。

運用と歴史的背景

この艦級は、1983年にソ連に発注され、その後1986年から1991年にかけて8隻が引き渡されました。1990年にはさらに2隻が追加発注され、1997年から2000年の間に引き渡しが行われました。また、退役前の「シンドゥヴィル」は2020年にミャンマー海軍に引き渡され、新たにミニエ・テインカトゥとして再就役しています。

事故と問題

シンドゥゴーシュ級は、いくつかの事故にも見舞われています。2008年には演習中の艦が商船と衝突し、2010年には停泊中に火災事故が発生しました。この火災は電池の整備不良が原因で、艦はロシアで修理を受けることになりました。また、2013年には「シンドゥラクシャク」が爆発事故を起こし、18名の乗員が命を落としました。この事故により、艦は修理されることなく除籍され、隣接して停泊していた艦にも影響を及ぼしました。

結論

シンドゥゴーシュ級潜水艦は、その戦略的意義と艦の性能改良により、インド海軍において重要な役割を果たしています。今後の運用や改装により、その能力がさらに高まることが期待されています。

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